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鍛冶士見習い

ってことで朝・昼間は鉱山、夕から寝るまで鍛冶士修行というハードな日課というものを体験していくことになった。

3日坊主の自分が続くかどうかも最初は怪しかったが特に鍛冶士の修行は何か知らんがものすごく楽しい


本来なら金属の特性・火の加減・制作した武器の用途やらを叩き込まれてから実践だと思ってたのだが、一日目から「まず叩いてみろ」言われ鋼のインゴットをポンと置かれほぼ何も分からないまま力任せに作り始め1時間ほどで1本の両刃剣を作ってしまったが、途中で使ってた金づちが砕け親方が「ほう~」と呟き自らの道具箱から大き目で銀光沢のある金槌を取り出し、投げて寄こしたこれでやれと


まあ所々アドバイスは貰いながらではあったが自分で初めての武器を作り上げたときの気分の高揚感といったら今まで経験したことのないほどに舞い上がってしまった。


ゴホン


親方の咳払いが聞こえ一瞬体を固くしたが手を差しだしているのを見てしぶしぶ渡した。


「ほう・・・初めてだとは思えない刀身の鍛え具合武器屋に並べられていても分からない、両刃剣はそれなりに熟練した者でなければ左右の刃幅が歪になり重量が偏るのが普通だがこれは大して気にならん出来だ、それに刃のところが波打っている様に見えるこれはなんだ・・・?これによって刀身がさらに強化されている」


受け取った刀身を布で拭き目の高さに上げ食い入る様じっと見つめ柄を付け縦横に振った,そのあと感想を口にだした。


あれ褒められてんのこれ?初めて作ったのに?それとあれ両刃剣じゃなくて大剣のつもりで作ったんだけど・・・短かったのかな。

結構上出来な剣だったのか親方は奥から背負うことが出来る鞘を持ってきて微調整してから差し出した。


「いい剣だ、そこらの武器屋に上質で分類にあっておかしくない物だ」


頭を下げて受け取りわきに置いた


「ん?掛けないのか?てっきり自分用に作ったのかと思っていたが」


あれ今のって背負って姿を見たいって意味だったのか・・・?

横に置いた剣を右肩に掛け立ち上がりそして最も剣を扱いやすい位置なるように固定してもらった

そのあとも何本か剣を作ったが最初のよりいいものは出来なかった。


鉱山での力仕事のおかげで体ががっしりしてきたような気がする元々細かったので丁度いいかなと。

毎日だと流石に体が持たないだろうから週に4日剣を叩きあとの4日は好きにしていいと言われたが特にすることも思いつかなかったので、内2日は気を注ぎながら剣を打つようになった。一定量をゆっくり流さないと金属自体が気に耐えきれなくなり途中で爆発してしまうという罰ゲームつき、これならコントロール力もそれなりに鍛えられ、剣の鍛錬の練習になる。

失敗作が出来てもあまり気にしない。材料は倉庫に錆びるほどあるらしいから。


ほどんど成功しないが








テッカ国に来て半年が経過した。


あの日ギルドで登録拒否され途方に暮れてた時のことを思い起こした、そして仕方なく行った鉱山で親方や気のいい獣人・竜人達との日々を鉱山の仕事はきつかったがやりがいがあった、鍛冶屋の修行もとても面白かった。

失敗作を山積みにしたところを見られたときはあきれられたが100本作って1本しか成功しなかった自信作を見せたら泡食って倒れた時は焦った


一晩経って目覚めた時に昨日のことを聞こうと剣を差し出したが、胸倉つかまれて「それをどこで手に入れた!!」と鬼の形相で問い詰めてきた。

「自分で作った」と言っても聞く耳持たずといった感じで、なんだ?と豹変した原因であるこの剣を渡して説明を求めた


親方は俺の渡した剣と自分の思っていた物が微妙に違ったようで「そんな馬鹿な!」「神刀が2本もあるとは」「誰かに知られれば・・・」と独り言を呟いていた。刀か・・・こっちにもあるんだな?


親方がそれはどんなものか遠い目をしながら教えてくれた


神の刀と書いて神刀この世で1本しか存在されてないと言われておりどんな方法を用いても作り出すことは出来ないと言われていた武器。

その力は凄まじく大国の全軍を一瞬で消し飛ばしたとも言われており、その力を恐れたエルフの精霊人の魔導士達が誰もたどり着くとこが出来ないであろう秘境に封印したあの神刀


「天才と言われていたわしも若い頃に何度も作ろうとしたがついにその製法を見出すことはなかった。それをどうしてお前が・・・」


神刀と呼ばれるこれとよく似た刀がどれだけ危険なのかは分かったがこれはそんな大層な物と同列だとは考えられない、試しに作っていたやつだし。


そんな表情をしたんだろため息を吐き乾いた笑いを上げ続けた


「確かにこの刀は神刀と言うにはお粗末だがそれでもそこらの魔剣や聖剣と同レベルの攻撃力は十分ある。それにこんなものを打てる人間が居るなんてどこかの国の連中に知られたらどうなるか・・・考えたくもない」


なるほど案外すごいものを作ってしまったようだ。


これからどうするかなどを聞かれたがどうするも何も別になんも考えてない旅人だしな?親方の迷惑になるなら出ていこうと思っているが。


「嫌かもしれんがこの国で冒険者になり多少ランク上げておき自分の身を守れる程度の権力は持っておいた方がいいだろう。ギルドにはわしも同行しようこれでも少しは顔が利く」


そして何か企んでいるような悪い笑みを浮かべた


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