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次世代機パスクア  作者: 柳井リュウ
9/48

relay

☆ショウ☆


「できうれば願いたい」

ヨシュアと名乗った若い支配階級の高官が父に話す。

封筒を差し出す。

父は封を切った。


☆ミキヒコ☆


父ちゃんは珍しい紙面の手紙をひろげ、その場で読んだ。

直ぐに父ちゃんはオレに手紙を渡し読ませてくれた。

オレは手紙を父ちゃんに返した。

その手紙を叔父ちゃんに父ちゃんは渡した。


☆アキヨシ☆


父さんは、俺を抱き締めた。

父さんから手紙を渡された読み終わった兄さんも俺に抱きついた。

ヨシュアさんも、それを許している。


☆リヒロ☆


ジィもトウも静かに涙を流しているようだ。

ふたりの嗚咽が聞こえる。

これは【お願い】という名目の【決定事項】なんだ。

僕は丘の上の王子様達に星のお姫様達を探す【冒険】に誘われたんだ。


☆ショウ☆


父の体が震えている。

息子が高官達から【願われたから】。

小惑星ヘカテまでの探査の為の艦のクルーに【誘われた】。

ちがう。

【決定事項】だから。

軍で言うなら拒否することのできない【命令】だから。

だから父は震えて……泣いているのだ。


☆ミキヒコ☆


泣いてる父ちゃん達に抱きつかれたまま言う。

「父ちゃん、オレ行って来っから。オレいつも面倒見てた潜水艦ナウティルスにのれんだぜ。クルーとして。すげーよなナウティルス、やっぱり宇宙船だったんだ」

軽く、軽く言うんだよ、オレ。

そう何時もと変わらんねぇように。

ヨシュアさんよぉ、オレが行くから叔父ちゃん達の跡継ぎ申請だって通ったんだろ?

だからオレが行きたいんだよ。

それでいいんだよ。


☆アキヨシ☆


父さんにも兄さんにも、俺が行きたいんだと思ってもらえるように。

「こないだ調整したロイドもナウティルスの中にいるんだよ。どうなってるか診たいしさ。うぅん、何を持ってったらいいのかな」

「行くのかよ」

泣きながら兄さんが言った。

「うん。俺が何処までできるか、出発までの一月で見せつけてやらなきゃならないだろ」

笑え、俺。

精一杯明るく。

言えたかな。


☆リヒロ☆


「ちゃんと星のお姫様連れて帰ってくるから、それまでジィもトウも元気でいてよ」

僕はジィとトウを静かに離して、ヨシュアさんの前に立って言った。

「お受けします。祖父と父とをよろしくお願いいたします。それと跡継ぎを、必ず必ず」

頭を下げる……ダメだ涙が。

ダメだ……深呼吸。

泣かない、泣かない、僕は泣かない。

よし。

ヨシュアさんの横に並んでたって、家族を見る。

明るく、明るく。

明るく言ってお辞儀をしよう。


☆…………☆


「「「「…いきます…」」」」

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