relay
☆ショウ☆
「できうれば願いたい」
ヨシュアと名乗った若い支配階級の高官が父に話す。
封筒を差し出す。
父は封を切った。
☆ミキヒコ☆
父ちゃんは珍しい紙面の手紙をひろげ、その場で読んだ。
直ぐに父ちゃんはオレに手紙を渡し読ませてくれた。
オレは手紙を父ちゃんに返した。
その手紙を叔父ちゃんに父ちゃんは渡した。
☆アキヨシ☆
父さんは、俺を抱き締めた。
父さんから手紙を渡された読み終わった兄さんも俺に抱きついた。
ヨシュアさんも、それを許している。
☆リヒロ☆
ジィもトウも静かに涙を流しているようだ。
ふたりの嗚咽が聞こえる。
これは【お願い】という名目の【決定事項】なんだ。
僕は丘の上の王子様達に星のお姫様達を探す【冒険】に誘われたんだ。
☆ショウ☆
父の体が震えている。
息子が高官達から【願われたから】。
小惑星ヘカテまでの探査の為の艦のクルーに【誘われた】。
ちがう。
【決定事項】だから。
軍で言うなら拒否することのできない【命令】だから。
だから父は震えて……泣いているのだ。
☆ミキヒコ☆
泣いてる父ちゃん達に抱きつかれたまま言う。
「父ちゃん、オレ行って来っから。オレいつも面倒見てた潜水艦ナウティルスにのれんだぜ。クルーとして。すげーよなナウティルス、やっぱり宇宙船だったんだ」
軽く、軽く言うんだよ、オレ。
そう何時もと変わらんねぇように。
ヨシュアさんよぉ、オレが行くから叔父ちゃん達の跡継ぎ申請だって通ったんだろ?
だからオレが行きたいんだよ。
それでいいんだよ。
☆アキヨシ☆
父さんにも兄さんにも、俺が行きたいんだと思ってもらえるように。
「こないだ調整したロイドもナウティルスの中にいるんだよ。どうなってるか診たいしさ。うぅん、何を持ってったらいいのかな」
「行くのかよ」
泣きながら兄さんが言った。
「うん。俺が何処までできるか、出発までの一月で見せつけてやらなきゃならないだろ」
笑え、俺。
精一杯明るく。
言えたかな。
☆リヒロ☆
「ちゃんと星のお姫様連れて帰ってくるから、それまでジィもトウも元気でいてよ」
僕はジィとトウを静かに離して、ヨシュアさんの前に立って言った。
「お受けします。祖父と父とをよろしくお願いいたします。それと跡継ぎを、必ず必ず」
頭を下げる……ダメだ涙が。
ダメだ……深呼吸。
泣かない、泣かない、僕は泣かない。
よし。
ヨシュアさんの横に並んでたって、家族を見る。
明るく、明るく。
明るく言ってお辞儀をしよう。
☆…………☆
「「「「…いきます…」」」」




