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幕引きは突然に



「よそ見すんなやボケッ!」



 世壊し(ヨコワシ)の死角からカオルが金属バットを振り上げ、殴りかかる。


 しかし、その攻撃も世壊し(ヨコワシ)の体をすり抜けてしまう。



「グギギィ……無駄な足掻きを……」


「カオちー、全然ダメじゃ〜ん」


「うっさいねんッ! ほな、お前がやれやッ!」


「はいはい。それじゃ〜……『ジベタリアン!』」



 カオルの言葉にアイラは肩を竦め、面倒臭そうに異界詠唱術(ギャルスラング)を使用した。


 すると、世壊し(ヨコワシ)の周囲に過重力空間が発生し、メキメキと地面が埋もれていく。



「グギギガガッ! やったぞ。今度は完璧にコピーしてやった! 俺様に出来ない事はないッ!」



 攻撃を喰らった筈の世壊し(ヨコワシ)が歓喜する状況に、二人は首を傾げた。



「アイツおかしなったんか?」


「さー?」



 最悪な状況に陥った事に全く気がついていない二人。



「ギギギィ……面白いものを見せてやるッ【じべたりあん】!」



 世壊し(ヨコワシ)がその言葉を発すると共にカオルとアイラの周囲に過重力空間が発生した。



「なッ!」


「ぇえ?」



 突然、地面を這う様な状態になった二人。


 そう、異界詠唱術(ギャルスラング)がコピーされたのだ……



「ちょッ何で? 嘘でしょ?」


「グギギガガッ! 嘘ではない、俺様は貴様の力を完璧にコピーしたッ!」


「それがどないしてんッ」



 何かが割れる様な音と共にカオルが立ち上がり、世壊し(ヨコワシ)に向かって走り出した。



「グギギ? どうやったか知らんが、これは避けれないだろ? ……【げきおこすてぃっくふぁいな()ぷんぷんどりーむ】」



 …………。



 世壊し(ヨコワシ)が意味不明な言葉を発したが、何も起こらない。



「グギギッ? 何故だ! 何故発動しないッ!」


「知るかッ!」



 混乱する世壊し(ヨコワシ)にカオルは金属バットを振り上げ、殴りかかる。



「ギギギ……効か……!」



 ピキッ……



 何かが割れる音と共に、世壊し(ヨコワシ)の体をすり抜ける筈の金属バットが漆黒の暗闇を捉え、そのまま世壊し(ヨコワシ)を地面に叩きつけた。


 よく見ると、金属バットが淡く光っている。



「グギガッ! ……なぜ、貴様の攻撃が……【バーニングフィスト】」



 カオルから逃げる様に世壊し(ヨコワシ)が炎を纏った鉄拳を繰り出した。



「おりゃッ」



 ピキッ……



 光る金属バットが炎を纏った鉄拳に触れた瞬間、炎が消えて逆に世壊し(ヨコワシ)が吹き飛ばされる。



「ギギギッ! 貴様、何者だッ! な、なぜ攻撃が効かない」


「知るかッ」


「ギギギギギッ! 来るなッ! 【玩具生成】!」



 突然現れた、羽の部分が刃になっている巨大な竹トンボがカオルに向かって飛んで来た。



 ピキッ……



 しかし、それも光る金属バットに触れた瞬間、何かが割れる様な音と共に粉々に砕けた。



「ギギ……不味い。逃げ……」


「おっと待てや」



 闇夜に溶け込み、姿を眩まそうとした世壊し(ヨコワシ)をカオルは淡く光る手で掴んだ。


 次の瞬間、夜に変化していた世壊し(ヨコワシ)の姿が実体に戻った。



「ギギ? ……マジ?」




【スキル解説】


非魔法適正(ちからずく) 改】


 カオル=アサヒナのユニークスキル。


 魔法系スキルが使用出来ない代わりに、魔力を消費してその値を攻撃力に上乗せできる。

 その際に、道具などを破壊することも可能。


 改:スキルによる効果などを打ち消す事が可能になる。



あと1話、あと1話だけお付き合い下さい。

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