プロローグ
魔物が蠢く鬱蒼とした森。
その領域は、例え日中であったとしても普通の人間であれば好き好んで立ち入ったりはしない。
況してや日が暮れて辺りが闇に覆われているとなれば、ベテランの冒険者であっても不用意な活動は控えるものだ。
『弱肉強食』
この領域では、強さだけが真実であり弱きものはその生を奪われるだけの存在となる。
そして今この時も、その揺るがない摂理に身を滅ぼしたローウルフがオルトロスにその亡骸を貪られていた。
ドドドドド____
低い呻き声の様な音を聞き取った強者は、顔を上げ音がする方を確認する。
すると、遠方から一筋の灯りが彼の片頭を照らした。
突然の光に戸惑っている間に低い呻き声の様な音と光は大きくなって迫って来ている。
『死』
そう直感した強者は透かさずその場から離れる。
刹那、聞いたこともない轟音と共に『何か』がその場を通り過ぎていったのだ。
その余りの速さに双頭狼は、なす術無く立ち尽くした。
そして、先ほど彼が強者として君臨していた場所には『何か』に引き潰された弱者の残骸が残っていた……
【世界観】
人や魔物、その他の種族が生きる、地球とは違った異世界。
ここには魔力があり魔法があり、更には少しばかりの科学が存在する。
そんな世界のお話です。
え、なに? 本編と作風が違うって?
ご心配なく。徐々に元に戻していきます。