〜序〜始まりの物語
ここは多くの冒険者が集う街「ウィクセント」この街に来るものの多くは冒険者を志すものが多い、そしてここにもそんな1人の少年がいた...
「だーかーらーっ!なんで僕は冒険者になれないんだ!!」
この街で冒険者になる条件としていくつかのルールが存在している、これはウィクセントにあるギルド間で話し合った結果できた決まりである
「ですから何度も説明しております通り、冒険者になるには
いずれかのギルドへの所属、そしてギルドマスターとの契約が必要になります。なのでギルド無所属のあなたはまだ冒険者の資格を得ることが出来ないんです」
そう言われた少年は憤りを感じながらも冒険者管理所を後にした
「ギルドか...しかし僕が入れるギルドを探すのは大変だぞ...」
この少年の名前は エリア・グラディアス 彼もダンジョンへの憧れから冒険者を志すものであった。しかし彼にはそれを妨げてきた悩みがあったそれは...
「この身長じゃみんなバカにしてまともに相手にしてくれないよなぁ...」
エリアは今16歳になったのだが身長が146cmと見事な小ささなのである
そのことを悲観しつつ彼は毎日通う神殿へと足を運ぶのであった
ここはかつて神と精霊が集う場所であった「クロノス神殿」
10年前までは神々や精霊が多く訪れる場所だった...しかしここ数年での街の進歩により神々は崇拝の対象として天界にそして精霊は自然とともに...と世界各地に旅立っていった
その結果、クロノス神殿は廃れ、今では「空から捨てられた神殿」とまで呼ばれるようになっているのであった
「神々よ、汝我の祈りを聞きたまへ...」
エリアは数ヶ月前にこの場所のことを知り毎晩祈りを捧げているのであった
「...ふぅ、無駄だとわかって祈り続けてもう三ヶ月、背格好のことは諦めて
正面からギルドに行くべきだろうか」
そんなことを思いつつエリアは神殿を後にしようとした、そのとき
「.........」
「なんだ、なにか微かに聞こえるような...」
「............ぇ」
「やっぱりなにか聞こえる...?誰かいるのか?」
「...............ねぇ」
「気のせいじゃない!誰だ!誰なんだ!」
辺りを見渡すとエリア、そのとき神殿の窓に一人の少女が座っていた
その少女は銀色の髪に紅色の瞳をした少女だった
「ねぇあなた、私のものにならない?」
そう告げた少女は微笑んでいた、この出会いが少年が大人になっていく1歩だった