番外編2
「誠治君、お昼ご飯は何食べたいー?」
土曜日のお昼。
柊木ちゃんちでダラダラしているときのことだった。
ソファの隣に座る柊木ちゃんが、料理本を手にぺらぺらとページをめくりながら俺に尋ねてきた。
「なんでもいいよ」
柊木ちゃんが作った物で、マズかった物は今までに一度もない。
安心と信頼と実績があるのだ。
名前のついてない余り物で作った料理も普通に美味い。
育ちがいいせいか、味覚がかなりしっかりしてるんだよな。
「んー? なんでもいい、か……」
ううん、と困ったように眉尻を下げる柊木ちゃん。
「先生が作りたい物を作ってよ」
「二人きりのときは先生じゃなくて春香さんでしょぉー!?」
ぺしぺし、と肩を叩かれた。
毎度おなじみのやりとりだけど、呆れることなく毎回ちゃんと全力で注意してくるんだよな柊木ちゃんは。
それだけプライベートで俺に先生って呼ばれるのが嫌なんだろうけど。
「誠治君、よく『なんでもいい』って言うけど、それ案外困るんデス」
「そうデスか」
「ヒント、何かヒントちょうだい?」
って言われても、柊木ちゃんが作るのであれば何でも食べたいし何でもいいのが本音だ。
おねだりをするように、柊木ちゃんが体を寄せて腕を絡めてくる。
上目づかいで吐息のようにこそっと言った。
「誠治君は、何が食べたいのかな?」
胸が、ムネが、当たっているっていうか、この人当ててないか?
「……じゃあ、春香さん」
「んーもうっ……♡」
頬にキスをされて、その流れで唇にキスをされる。
柊木ちゃん今日は積極的なんだな。
俺のほうにぐぐぐっと体重をかけてくると、ソファに押し倒される形になった。
「誠治君がそう言うならしょうがないなぁ♡」
この人、こうなるように誘導してきたんじゃなかろうか。
それくらいナチュラルだった。
言うまでもなく、昼食は相当遅くなった。
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