0人目:関東大震災
ー2020年ー
日本は関東大震災に襲われた。
震度7の大地震だった。
だが奇跡的に地震による直接的な被害は少なかった。
死者15名行方不明者2名。
高い建物が多く人口の多いこの地区では本当に奇跡的である。
だが”直接的な被害”だけの話である。
地震による被害は直接的なものだけでは無かった。
話は別になるがこの日本という国では極秘裏にある研究が行われていた。
科学兵器の開発である、この研究のスポンサーにはアメリカやイギリスなどの力のある国々が付き多額の支援金を貰い研究をしていた。
その科学兵器は”人体強化剤”といい人間の身体能力を極限まで引き上げてタフで高い治癒力を与えるというものだった。
原理は簡単だった、かつて日本が戦争をしていた時に兵士に飲ましたというヒロポンという薬を使ったというこの薬品には疲労を感じさせないという効果があった。
だが過労死や不眠症による体調不良によって多くの命を奪ったものである。
いわば覚せい剤のようなものだ、世界の科学者たちはこの中毒性の高い有害物質を兵器開発に使えないかと考えたのだ。
そして今作られている薬品を飲むことで体に寄生虫を生まれさせて薬品で高めた身体能力を寄生虫を通してコントロールするというものだった。
これによってアドレナリンを大量放出による筋肉の損傷を著しく低下させ普通の人間には不可能な精神を安定させ不安や恐怖という概念をすてさせ落ち着いた行動をとらせたり低下した体力や損傷はこわばった筋肉を強制的にやすませ治癒力を高める。
いわば最強の兵士をつくったりもしくは現在日本では国民病となっているようなうつ病のような精神的なものからや癌の治癒薬、副作用のない睡眠薬としても使える特効薬になりえた。
だが危険性も高かった。
もし寄生虫が暴走した兵士が出れば誰も手の付けられない殺人鬼となりえる、いわば最強の戦士から最悪の戦士になってしまう。
さらに作り上げた寄生虫はとてつもなく繁殖能力が高く今の段階では生命を残そうともがくのだった。
それは寿命を短くいじればいじるほど強くなった。
ある日サルを実験台にして行われた実験である。
その時は寄生虫の寿命を1秒ほどにして50口径の弾丸すら破れない防弾ガラスごしに行われた。
サルに薬を投与し科学者達が囲むように観察した。
投与され数分後サルに変化が起きた。
サルは突然心肺を停止させて動かなくなった。
そして数秒後サルが心肺を最高速で動かし始めた。
そして一瞬のことであった。
サルはコンクリートの床をえぐる勢いで蹴り速度にして音速で跳ねてその勢いでガラスを殴ったのだ、実験が行われた部屋では轟音と共に衝撃破が伝わりすべての人間が顔をゆがめた。
そして一秒後サルは絶命した。
サルの拳はなくなり骨となったが防弾ガラスを豆腐でも殴るかのように砕いたのである。
コンクリートを蹴った足も粉々で残るものは肉片と跡形も無くなったサルの残骸であった。
科学者たちは目にした光景に顔をゆがめる者や青ざめる者もいた。
だが対照的に感動や好奇心による笑みを浮かべた科学者もいた。
音速を超えるスピードをコントロール出来るかもという期待がさらに科学者たちをあおったのである。
ある一人の科学者がサルの実験をしようと液体化させた薬を手にした。
この薬は寄生虫の寿命を三分程度にいじって作られたものであった。
慎重に機械に挿入しようと手を伸ばした瞬間である。
話が戻り関東大震災が起きた。
薬品を落としただがこの施設にはその時のために床に触れた途端自動的に無力化される薬品が塗られていた。
毎日ボタン一つ押すだけで塗られるというシステムだった。
研究者はヒヤッとしたが地震が静まるまで待ちその後下水へとながした。
だがその薬品は無力化はされずにいた。
ボタンを押し忘れるということは無かった。
だが、液体の状態の寄生虫は自分の生命を保とうと即座に免疫を作りだしたのだ。
そして無力化されずに流された薬品はゴキブリに感染しただが同じ種の生物にしか感染の出来ない寄生虫だった。
感染したゴキブリは寄生虫はゴキブリを絶滅させた。
そこで終わるはずだった。
だが不幸なことに感染をしたゴキブリ一匹が生態系の近い生物に感染させた。
そして次々とそれを繰り返し人間へと到達した。
科学者たちは現在の現状を政府に伝えると政府はすでに最悪の事態における対策を立てていた。
それが関東隔離計画だった。
その計画はきずく間もなく実行された。
そのおかげか関東以外の地域には被害が及ばずにすんだのだ。
そして被害は直ぐに消息へと向かった
そして一日で寄生虫が完全に消えた。
99.9999%の関東の人口は命を落とした。
生き残った人間はたったの5人にも満たなかった。
これはその生存率が0.0001%という生き地獄の話である。