表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

第14話 ぜんぶ夏のせい、だ

 今年の夏は、なんか微妙だ。

 梅雨がかなり長かったのと、あと8月に入ってからも天気のわるい日が多い。ずっと天気がわるいような気がする。

 かと言って灼熱のドッピーカン光線を放射されても、それはそれでツラかったりする。

 そんな太陽の照りつける日も幾日かはあった。そんな日はホールへ行くのも億劫になる。まあ、行くけどね。


 以前にオレの立ち回りについて話した(第3話参照)。

 ハマリ台を求めて複数店舗を歩いて回る、と。それを億劫がっているようじゃパチスロで勝てませんよ、と。

 あれ、ウソです。いやウソじゃないけれど、夏場の炎天下ではムリです。熱中症になるから、本当に。

 夏場に収支が悪化するのは、お盆と重なる(*註1)こともあるけど、ふだんの立ち回りができていないことが原因なんじゃないかな、なんて密かに思ったり思わなかったり……。

 ええ、そんなわけで悪化しておりますよ収支が。6、7月はよかったんだがね。

 つまりハナと出会ったころが、いちばん絶好調だったわけですよ。ああ、オレの幸運の女神よいずこへ!

 最近、とんと彼女をホールで見かけない。


 いまさら言うのもアレだが、オレだって年がら年中パチスロを打っているわけじゃあ、ないんです。

 マイブームみたいなものがあって、今年は春先から無性にパチスロが打ちたくなった。花粉症みたいなものか。

 ちなみに去年おととしは、まったくパチスロを打っていない。ホールに足を運んですらいない。

 オレのパチスロにかける情熱とは、そんなものである。それくらいで丁度いい。むかし、そのときはパチンコだったが、あまりに熱中しすぎて破産しかけたことがある。

 いまは、いい感じの距離でパチスロと付き合えている。そう思いたい。


 ということは、ですよ。

 このブームも秋口とは言わないまでも、いつかは去り行くのではないか。いや、ほぼ確定しているんじゃなかろうか……。

 オレ個人の熱量とはべつに、業界もまた岐路に立たされている。

 業界はいま、出玉を減らすための新基準適応に躍起になっている。この運動は10年に一度くらいの割合で起きるらしい。

 パチスロについて言えば、9年まえの2007年にも4号機から5号機への移行がなされ、お客がわんさと離れた。

 そのときとおなじ動きを、いままさにしている。またお客がわんさと飛ぶだろう。オレも来年以降もパチスロをするか何とも言えない。


 じゃあ……じゃあ、ですよ。オレやピーターさんがやっていることは、いったい何なのだろう?

 ハナは何のために仲間バディを募っているのだろう。さっきも言ったが、最近では彼女自身をホールで見かけないのである。

 元彼ユウトを捜すのをヤメてしまったのか。飽きちゃったとか? そもそも、ユウトがハナの元カレであるかさえ、あやしい。

 ピーターさんの推論では、ユウトの捜索にはヤ○ザが絡んでいるかもしれない、とのことだった。

 もしかしたら、すでにユウトは東京湾の底に沈められているかもしれない。それはハナについても言えることだ……。


 すると、つぎに沈められるのはオレか? あるいはピーターさんか。

 考えたくない。考えすぎかもしれない。放っておくとすぐネガティヴ・シンキングの虫が顔を出すオレです。

 だが、しかし。

 じつはハナについて……彼女の一連の行動について、オレなりの解釈みたいなものはある。

 それをお話するのは次回ってことで。次回、最終回ってことで。



*註1……盆、暮、正月あとGWはパチンコ屋さんにとっての回収かきいれどきなのれす。太古の昔からそう、きまっているのれす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ