警視庁公安部公安第二課時効事件特別捜査係事件簿
タッタッタッ
「ちわっす!」
変なドクロの指輪を細いキーチェーンに潜らせたのを、首に付けているし、右耳にはピアスを開けている。
刑事として自覚をもっていないのかね。そう思っても無駄だ。諦めるしかないか。
おっと紹介をしていなかった。
俺の名前は相田キヨミチだ。警視庁公安部公安第二課時効事件特別捜査係の部長でもある。通称「ジッケン」と俺は呼んでいる。
そして今走ってきたのは、三村シュンヤだ。先月異動されたばかりの新人だ。
「どこ見てるんすか?」
「な、何も見てないけど?」
俺は冷や汗をかいた。もしかしたら声に出したかもしれないと思った。
「俺って何か言った?」
「何も。もしかして何か言ったんですか?」
三村は申し訳なさそうに俺に言った。
「何にも言ってないよ。」
俺は安心した。良かった言わなくて。
「それよりさっき、何か偉そうな人が、これって渡してきましたよ。」
またかよ。昨日何件やったと思ってんだよ。また残業かな…
そう俺が配属している課は名前の通り時効になった事件を再捜査するのである。と言っても、小さな事件ばかりで毎日が辛い。大きい事件があったとしても、すぐに違う部が捜査するのであって毎日が辛いのだ。
「殺人事件みたいですよ。しかもさっきの人が、これは内密に頼むって言ってましたよ。」
三村は真剣な顔で俺を見つめていた。
何だよ、その顔。いつも暇な時にやるポケモンのソウルシルバーをやっている時と同じ顔じゃねぇかよ。わかったよ。わかったから。
「よし、早速再捜査するか。」
「やりましょう!」
何故そんなに喜ぶのか?まぁ仕事熱心なのはいいんだが。それにしてもどんな事件だ?
【青葉中学校大量殺人事件】
そんな事件があったっけ?ニュースで見たことないな。青葉中学校ってどこだ?何県で起きたんだ?
「2004年時効だって。最近ですね。」
そうなんだ~って、今タメ語使ったよね。使ったよね。まぁいいや。
この事件は何か裏がある。
俺は適当な勘で思った。
「部長どこ見てるんすか?」
三村は不思議そうに俺を見た。
くそ。綺麗に終わらそうとおもったのに。
俺は悔しながら事件の詳細を見た。
かなり長い話になると思うのでよろしくお願いいたします。