愛 20
零 の第二十話です。
「う~ん」
思わず声が漏れた。
戦争の全貌を暴くジャーナリストになると誓ったものの、軍から盗んできた資料だけではなかなか進まない。
ただ一つ分かったのは、零はA国で暴動が起こった当時に攻撃を仕掛けたチームの責任者だったらしい。
なるほど。これでなぜ零が責任を問われたのかはなんとなく分かった。
問題は私だ。なんで私まで責任を問われたんだろう。
ただの道連れ? 厄介払い?
考えれば考えるほど分からない。こんな時に零がいたらなぁ。
……しばらく考えたけどやっぱり分からない。
「よし! おやつにしよう」
こういうときはお菓子を食べるのが一番良い。
糖分を補給して効率を上げよう。
ポテチ一袋に板チョコ一枚とみたらし団子三本にお饅頭。そしてお供の烏龍茶を机に置いて、食べる。
ああ、やっぱりこの時間が一番幸せ。お菓子がないと生きていけない。
そういえば、よく零に不健康だって怒られたなぁ。
でも食べちゃうもんね!
これはあくまで効率を上げるための作業だし。お腹が空いて限界だった訳では決してないし。
自分に言い訳をしながらすぐに食べ終わった。
…足りないな。お餅焼くか。
全部食べきって、再び軍の資料を漁る。
軍の出費の表が目に入った。
なんとなく自分のいた寮の出費に目を通す。
…食費月約四十一万円。あれ、うちの寮ってそんなに人数いたっけ。
いや、女性だけだったから私合わせて十人くらいだったはず。
平均の女性の食費が三万七千円くらいでそれをかける十。三十七万円。
四十一万円には届いてない。
ふと寮にいたときの記憶がよみがえる。
毎日沢山おかわりをした日々。そういえば一人で二人前食べてたな、私。
「…ということは?」
これはもはや十人分の食費じゃなくて十一人分の食費?
表を見ると人数より多い出費のせいで赤字になっている。
もしかしたら私も責任を問われた理由って、あまりにも食べすぎるからついでに追い出したってこと!?
あり得ない話ではない。
「うわぁ~。だとしたらめっちゃ恥ずかしい理由だし零のついでってことか」
おそらく逃げたときに軍に捕まっていても、零だけ捕らわれて私は追い出されていただろう。
……戦争の全貌を暴く前に軍の食費を暴いてしまった。
次回もお楽しみに。




