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  作者: 十月志歩
12/20

零 12

零 の第十二話です。

私が撃たれてからしばらく経った。私は元々体は強い方で、どんどん回復していった。

久し振りに自分で立った日、零がにこやかに話しかけてきた。

熱でもあるんじゃないの……?

「愛、この前ストーカー被害にあっていないか聞いたよな」

「あ、それずっと気になってた。今回の件に関係あるんでしょ?」

「ああ。お前を撃った犯人を捕まえたんだが、」

零は真面目な顔になる。

「あいつは、お前の電話番号、メアド、住所、クレカの暗証番号まで知っていたんだ」

「え……」

「しかも、俺と共に暮らしていることもな。動機を聞いたら、『許せなかった。お前ら二人とも。どうせならお前からやりたかった。』だそうだ。」

「え…。私達、殺されるようなことした?」

「さあな」

「てゆ~か犯人キモすぎでしょ。そんな情報、どこで手に入れたんだか」

「…ああ。あ、あと、もう一つ聞きたいことがある」

「何?」

「その_。間違っていたら、申し訳ないんだが、俺達、は。

__俺達は兄妹、なのか?」


一瞬、時が止まる。


先に口を開いたのは私だった。

「なんでそう思ったの?」

「犯人がそう言っていた_。あとは、なんとなく」

空調の音だけが部屋に響く。長くて短い、気まずい瞬間だった。

「そっかぁ。ついに、零にもバレちゃったかぁ」

零の顔が少し明るくなる。

「愛衣音、」

「なあに?お兄ちゃん!」


気付けばもう夕暮れ。私は零と沢山のことを話した。

「何で妹であることを早く言わなかった?」

「え! その内気気付くと思ってたもん。全っ然気付いてくれないお兄ちゃんが悪い」

「気付かねえよ。あのなあ、苗字を母方のものにして、下の名前まで変えて、ましてや少し整形までしてたら気付かねえもんだ。髪も短えし。似てるなと思ったとしても他人の空似だと思うわ」

「そんなものなのかなぁ」

「そういうもん。というか、何で改名したんだ?」

「いや、深い意味はないよ。ただ、家出したってことで少しけじめをつけたかっただけ」

「そうか」

「驚いた?」

「ああ。人生の中でもトップクラスでな」

そう言う零の顔はとても嬉しそうだった。



「しくじって捕まっちまった。殺し損ねたらしいし、復讐は失敗だな。_ならもう生きる意味はないか。」

銃口を自分に突きつけて、引き金を引いた。








次回もお楽しみに。

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