出会い7
まだまだ、一緒に行かないほうがいいと言ったが、有無を言わせない圧で凛は私を黙らせると、バルコニーから私を引っ張り出された。
ここまで来たら、もうしょうがない。と、私は凛の隣で歩いた。
凛は本当に私が協力してくれると思わなかったのか、びっくりしていたが、やがて嬉しそうに、さすがというような表情で笑った。
私が凛と歩いてるを気づいた会場は時間が止まったように誰もが動くのを止め、そして騒ついた。
そんなに珍しいことなのだろうか……。
━━あっ!そういうことか。凛と私が場違い違い過ぎると言うことか…!なるほど……それなら騒つく事も頷ける。まさに月とすっぽんだもんな……。そりゃあびっくりして動きを止め、見るよね。
◇◇◇◇◇◇【side 凛】
私は、澪里ちゃんと一緒に歩いていると、気付いた人はみんな我を忘れて私と澪里ちゃんを見ていた。……ううん。澪里ちゃんを見ていた。
それもそう………澪里ちゃんは本当に可愛いから…。本っ当に、こんな美女います?ってぐらいに………本人は気付いて無さそうだけど………。
今は幼さの面影を残していて美少女とも言えるが、もうちょっと大きくなったらそれでこそ美女と言われ、世界の男性全員惚れされるだろう。澪里ちゃんのちょっと成長した姿を想像しただけで興奮し、血を吐きそう……。実際に会ったら失神しちゃうかも……。
元々、私は美少女とか可愛い子が大好きなのに……相方が澪里ちゃんなんて………嬉しすぎるっっ!
絶対に相方を組んだのは人は私のことを調べたに違いない。澪里ちゃんと組ませたのは故意的すぎるっ……。でも………許してあげるよ…こんな良い子と組んでくれたから……。
裏切り防止のためであろうな……スパイの世界には可愛い子もいるのだが裏切ってもいいのかい?と、言っている場面が想像できる。多分、うちのボスだ。全く、鞭とあめの使い方が上手い…。
ああ、澪里ちゃんはもう文句が言えないぐらい良い子だわ……。今はあどけない雰囲気も最高だし、大人になっても最高だろうな………。うちの子になってほしいわ……。ちょっと天然で素直なとこも最高っ!!
やばいっテンションが爆上がりして語彙力も無くなっている。……実際に“最高”しか言っていない。でもっ、本当にもう文句のつけようが無いぐらい完璧っ……。
今が任務ということが悔しいっ……。任務じゃなかったら叫んでいたのに!!!
と、思った時、澪里ちゃんが何か言いたげに私を見つめていることに気づいた。
「どうしたの?」
「あ…えっと、いつレンに話しかけるのかな……って」
きゃああ、声も可愛すぎる!また聴けるなんて幸せ……!
……じゃなくてっ、どうしようかな……。
澪里ちゃんしっかりしすぎでしょ…!私なんて任務のことすっかり忘れてたわ……
「う〜ん…どうしようかな……」
私が言った言葉に澪里ちゃんはちょっと心配そうに見つめた。
ひゃああ、可愛い、最高ですっ…!
じゃなくて!!任務任務……
と、思い、レンの方を見ると、貴族の挨拶やらなんやらでいつも人だらけのレンの周りには誰もいなかった。今だ!今しかない!!
よっし、気合をいれながら、澪里ちゃんに伝える。
「今行くわよ」
「ええ………」
澪里ちゃんが戸惑いの声をあげるのを聞きながら、引きずる感じでつれて行く。
◇◇◇◇◇◇
凛に引きずられながらレンの近くに着いた。
レンは私たちに気づいたのか、私たちに向き合うような感じになる。
レンの視線は私たちをじっと見つめた。まるで、目を奪われるように……。………視線がこちらを向いているような………ないない、ばかばかしい。それは自惚れしぎている……。この視線は凛に向けらけているに違いない…。うん!きっとそうだ!
凛がカーテシーをしながら、挨拶をする。
「レン様、ご無沙汰しております。お元気で………」
「澪里?」
凛のレンへの挨拶は、レンが発した言葉によって遮られた。しかし、レンが私の名前を呼んだ事が衝撃で、私だけでなく凛も驚きを隠せずにいた。