復帰
✧*。メリークリスマス✧*。
良いお年をお迎えください
白い壁に囲まれ、永遠に続くと思わず歩く人に思わせる長い廊下。
ここは──スパイの本拠地だ。
私……澪里は今そこを歩いていた。
1週間休みをいただいて、民間人に紛れ込んで、自分でレンの動きについて調べた。でも、とくに何か問題になる動きもなかったし、誰かが私について調べようとしている人もいなかった。……と思う。
確信はないけど……諦めてくれたのだろうか。……そう、願いたいなぁ……。
とはいえ、まずなんでレンが私を探しているのかも知らないのだけれど……。
そして、私は今から仕事に復帰する。その前に幹部は、ボスに挨拶をすることになっていて、先代からのしきたり、というか……風習らしい。
そのことを楓に伝えてもらったとき、なぜかもっと休んでいいと返事をもらったのだが、そんな訳にもいかない。1週間も休んだのだから。
私が歩くと共に、カツン、カツン、という音が誰もいない廊下に響き渡る。
(懐かしいな……。そういえば、初めてここに来た時、迷路に迷ってしまったんじゃないかってビクビクしてたっけ……)
昔のことを思い出して、クスッと笑ってしまった。
そうこうしているうちに、大きな扉が目の前に現れた。
「お疲れ様です」
「澪里様…!? お、お疲れ様です……」
隣で警備している警備員さんにペッコリと頭を下げる。そして、なぜか恐れ多いというように慌てて頭を下げられるのだが……私がやりたくてやっているのだから、そんなことしなくていいのに……。と、毎回思ってしまう。
「い、いつもの格好で、ボ、ボスに会われるのですか?」
「うん! じゃないと、誰かわからないでしょ?」
「そ、それは、そうですが……」
そう……今、私は本部に来る時によく使う変装をしている。
毎回変装を変えるのに、本部に来る時は変装を決まっているのはなぜ? と思うかもしれないけど、なぜか、ボスに『混乱を招くから、ここに来る時は決まった格好でお願いしてもいいか?』と言われたからなのだ。けれど……私にはまだイマイチどこに混乱を招くのか、わからない。




