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池3
※人によっては精神的にハードな表現が含まれるのでご注意ください
先に口を開いたのは佳奈ちゃんだった。
佳奈ちゃんは苦笑を浮かべながら言う。私にはそれが自嘲しているようにも見えた。
「死ねなかったね。はは、そんな簡単に死なないか……」
最後は独り言のようなかすれた声だった。
「そうだね……」
「私ね、生きる意味なんて見つけたんだよ」
「! それは何?」
「あなただよ」
「私?」
「うん。だってあなたは一生懸命、自分の運命に抗おうとしている」
(違うっ、私はただ、逃げているだけだ………っ。あなたに言われるほど、かっこよくないっ………。)
その考えを否定するかのように、佳奈ちゃんは言う。
「かっこ良かった。だから、あなたを見習って、私も頑張って生きてみるよ! それが人生というもんでしょ?」
「佳奈ちゃんのほうがカッコいいよ………」
佳奈ちゃんは私を見てふっと優しげに笑った。
「私は一つしか持っていない自転車で帰るとするよ。私がこれから起きる出来事を聞くのを待ってね」
………だから生きて
それは言外にこめた、本当に伝えたい言葉な気がした。




