女の子
その女の人は若く、女の子とも言えるような幼い顔立ちだった。私と同じ歳ぐらいだろうか……。アメジストの髪をした女の子は、くすん、ぐすんとしゃがみで泣いていた。
その女の子を見たときある案が頭を横切った。
それなら、うまくいくかもしれない。
一人では必ず怪しまれるだろうが、二人なら……
そう思って、女の子に声をかける。
「あの……」
声をかけられた女の子は、びっくりしたように、顔を上げた。
「は、はい」
「なぜ泣いているの?」
泣いていた理由を聞くと、女の子はもっと耐えられなくなったように目から涙が零れた。涙が頬を伝って落ちた。
突然の出来事に混乱し慌てる。
え…?ま、待って、私、泣かせた?ど、どうしよう……
ぽつぽつと少しずつ女の子は泣いていた理由を話し出した。
「もう、ぅ……なにも、うまく、ぅ…いっ、いかない、ん、です……。くすん…」
「大丈夫だから落ち着いて」
声をかけると、女の子はもっと泣き出した。
「もう、……くす…、いっそのこと、らくに、…くすん……なりたい……」
「そうなのね。私にはあなたの苦しみは分からないかもしれない。でも、私もそういう時期があったわ。だから、自分勝手だけど、ちょっと分かる気がするわ」
そして、私はある提案を持ちかけた。