EP97
「どうやら、件の人事部の上司は、鮫島栄課長のようですね〜」
佐久間さんが、30分ほどで戻り得てきた情報によると、鮫島課長は、ネチネチ型パワハラ上司のようで、ネチネチ型ゆえに、部下が反撃しにくく、パワハラがあまり表沙汰にならないようだとのこと。
「すごいですね、なんかもう捜査一課って感じです」
私がそう言うと、「これは会長のお手柄なんですよお〜」
「え? ママ、いや会長の?」
ママの方を見ると、(^з^) フフフン♪ って顔をされている。一体どういうことなの?
「まあ、あの投書をエサに、書いた張本人を釣ったってわけだから、成功ってことでいいんじゃねーのか」
「とにかく、鮫島課長と牧野さんの攻防を、確かめないと」
「本人に聞いてみますか? 要は、容疑者被疑者がゲロれば良い訳だろ?」
「おとなしくゲロりますかね?」
佐久間さんが、「いげちゃんにまかせたらいいんじゃないですかあ?」と、のほほんと言う。
「私も一緒に話を聞きたいです。牧野さんを呼びましょう」
そして私たちは、牧野さんを呼び出して、役員室にこもった。
社長、副社長、秘書、そして会長を前にして、牧野さんは緊張の面持ちだ。




