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EP78
ゆっさゆっさと揺り起こし、そして井桁さんの腕を自分の肩に回して、ヨイショと起こした。
「回収しま〜す。社長、お会計お願いしまあす」
「承知しました!!」
私はなるべく明るく元気に言った。それはもう照れ隠しのようなものですがPayPay!!
「井桁さんをよろしくお願いします」
「社長は大丈夫?」
「大丈夫でふ」
「顔が真っ赤だけど……」
「飲み過ぎました!! 飲み過ぎただけです!! なんなら歩行確認しますか? ほら、真っ直ぐ歩けるでしょ!? 千鳥足じゃないでしょ!? チドってないでしょ!!」
佐久間さんは呆れ顔で、「あ、うん。じゃ、また」と、井桁さんを担いだまま、呼んであったタクシーに乗った。
それを見送ると……
脱力。なんか疲れた。
『とにかくよ!! カワウソはカワウソらしく大人しく俺のモンになれっつの!!』
思い出してしまう。
俺のモン。俺のモン。俺のモンになれ。
反芻してしまうではないか。
今夜はこのセリフが気になって眠れないかもしれない。
私の長い長い夜が始まった、気がした。
※歩いて帰ったら意外と家が遠かっただけ




