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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
井桁氏の自覚なき嫉妬と佐久間氏の自覚なき恋心
69/146

EP69


「では、慰労会かなにかで?」

「はい。大々的になにをやるってことはないんですけど、毎年MVPや優秀賞などの授与式的なことをやりますので〜」

「まあ! それは楽しみです。皆さんにお会いできますから」

「その時に、社長や会長の就任祝いも同時開催でとは思っていますよ♪」

「う、嬉しいですね」

あら? どうされた?

都さんは、そっと目頭を指でつまむ。じわりと滲んできた涙を、その細い指先ですいっと拭いた。

「すみません、なんだかパパのことを思い出してしまって……自分が経営側に立ってみて初めて、経営の大変さや厳しさを思い知りましたのでね。パパったら愚痴ひとつ言わない人だったから……」

「そうですね。先代の働きぶりは相当なものでしたよ。繁忙期には、まるで夜叉のような風貌をされてました。けれど、どんなミスがあっても、決して怒鳴らない。社員には優しいんですよね。それで、我々も社長についていこう!! ってなって」

都さんはハンカチを出して目元を押さえながら、鼻を啜った。

「パパ……ありがとう」

そう呟きながら、側に置いてあったティッシュを電光石火のごとく引き抜き、ちーーんと鼻をかんだ。

(会長なんて重責、普通は逃げ出したくなるだろうな……)

鼻をずびずび言わせながら、はあっとため息をつく。

うっかり。抱きしめて慰めたくなった。大丈夫ですよ、僕や井桁がついてますからね、と。


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