EP65
「小山田さんっっっ」
開発部のドアを開けて飛び込むと、社員の皆さま一斉にこちらを向いたので、ちょい視線は痛かったが、その中に小山田氏を見つけた私は、両手で手を振って、こっちこっちをした。
「社長が直々に小山田を召喚」
後に言い伝えになったようだが、それはまた今度でい?
廊下に出て、隅の方へと連れていった。
「どしたんです、社長? そんなに慌てて」
小山田氏は、はっとし、気がついた! みたいな表情を浮かべた。私はニヤリとしたが、ちょっととぼけた顔、いわゆるこんな( ˘ω˘ ) をして、小山田氏の反応を見た。
「小山田さんっやりましたねっ!!」
「いやあの、妹の彼氏の話ですよね?」
「そうそう!!」
「もう社長の耳に……いやあ私も驚きましたよ!」
「本当に」
うむうむと頷く。
「こんなトントン拍子に話が進むとはね」
「ねーーー」
「まあ私もね、妹溺愛してるんでね。彼氏については色々ともの言いたい方ですからね」
「?」
「だけどまあ、私がアヤツに渡した小箱が、功を奏したって言っても過言ではなくてですね」
「小箱?」
「はい。私がアヤツを漢の中の漢だって認めてからはね。まあ妹はちょっと奥手なところがあるんでね。アヤツにコンドー……むにゃむにゃを握らせたってわけでね。まあそのおかげでってこともねえけど、この度結婚ってことになったんで!」
「……え。そ、それはおめでとうございます_:(´ཀ`」 」
違うこと話してた!!!




