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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
秘書井桁氏と先代社長の出会いとドSになった経緯
61/146

EP61


そう言って、まだ下働きだった、現副社長の佐久間に相談にいったりしてよ。

で、またある日は。

「井桁くん、松谷町に販売店出そうと思って、土地見てきたんだけど」

と、地図を出す。

「ここ」

「こんなとこ、人通りが全然ねえじゃねぇか……な、ないですよね? もっと他に良いところあったでしょ!? あ、でも駐車場はあるわけか。まあそれなら……」

「人通りとか、調査した方がいいかな?」

「当たり前だろ。やってこい。あ、や、行ってらっしゃいませませ」

仕事をやり続けるうちに、言葉遣いは直したが。

「井桁さんのドSぶりは、うちの父と仕事する上で培われていったんですね〜」

と、現社長がのたまう。

なんだとゴルアァァ。

だが話の腰を折りたくない。続けよう。

「それから、俺は先代について回り、新商品が当たりだしてからは、何度かアドバイスをくれた佐久間っちに副社長になってもらいその後、経営は持ち直したってわけ」

「じゃあ、井桁さんと佐久間さんの功績が大じゃないですか!」

「へっそんなんじゃねえよ」

俺は先代の顔を思い浮かべる。まだどうしてもしんみりとしてしまう。

「だって俺らが頑張れたのも、先代がすげー良くしてくれたから……オカンが入院した時にも、先代がわざわざお見舞いにきてくれてな。そんで、帰りにこっそり俺にお見舞いを渡してくれたんだ。中に10万入ってた。俺、そんな大金見たことねえから、びっくりしちまって。腰抜かすとこだったんだぜ」

「お母さまは今はもう大丈夫なんですか?」

「おう。元気元気。これも全部先代のお陰だっつの。あの後、お礼参りに行ったら、入用な金があるなら遠慮なく言ってくれって……しょっちゅう給料前借りさせてもらったり」

鼻の奥がツンと痛んだ。


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