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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
商品開発の小山田氏が妹LOVEな件
56/146

EP56


「曲のリクエストありますか? って聞いたらですね。社員さん、結構リクエストくれて。なので、リク曲を募ると同時に、この会社に関するご意見も書いてもらおうと思いまして」

「へえ。良いアイデアじゃないですかあ」

「へへへ」

笑笑してると、佐久間さんが顔をずいっと覗き込んでくる。

イケメン顔が急に近くなって、私はのけぞってしまった。

「うお。どうしたんです?」

佐久間さんは、「なんでもなーい。つまんなーい」と言って、両手でヤレヤレを作ってから役員室から出ていった。

「なんなん? つまんないて。まったく、つかめん人だなあ」

佐久間さんは謎の人だ。その点、ストレートに感情を表す井桁さんの方がわかりやすいのかも知れない。

私は持っていた用紙をコピー機でコピーし、裁断してから、手作り投書箱を抱えて役員室を出た。

そして、ビルの入り口あたりに設置する。

よし。

次の日、出社した際に投書箱を覗き込んだら、さっそくリク用紙が入っていた。

「おお! 入ってる!!」

役員室へと入り、タイムカードを押してから、入っていた紙を広げてみた。

すると。

『リクエストは、〇〇〇〇の〇〇です』

マルマルモリモリ歌いたくなってきたあ♪

ふーん。なるほどね。今の若い子はこういうの聴くんだあ。へえ〜〜 ←おばちゃん気質

「井桁さん、井桁さんはどんな音楽聴くんです?」

「私はハードロックとかメタルとかですかね」

うるさくてそっこー帰りたくなるやつww

「それはいーですねー(°▽°)」←お得意の棒読み

その後、私はリク曲を募りながら、『ちょっとひと言』に記入されている要望に応えるべく、机に向かった。


『彼氏が欲しいのですが、部屋が汚すぎて彼氏を家に呼べません。どうしたらいいでしょうか?』

回答『掃除好きの彼氏をゲット♡』

回答『自分でなんとかするってか、しろ!』

回答『ルンバに任せよ〜』

回答『ダスキ◯のスタッフにお任せする』

(誰の回答かわかります??)


投書箱の上にパネルを作り、これを貼った。

「うーん。どれも他力本願。井桁さんだけ、自力で掃除かあ。やはり自分にも他人にも厳しいお人だ」

うむうむと納得する。

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