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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
商品開発の小山田氏が妹LOVEな件
55/146

EP55


「ではこのまま、この商品、進めてくださいね」

私は、げふっと満足、お腹をさすりながら、役員室へと戻る。そのエレベーターの中で数人の社員と一緒になり、「失礼は重々承知の上ですが、確か社長であらせられますよね?」と問われながら、挨拶をされた。

本社の中を飛び回っていて、トイレの位置などはもう把握済みだけれど、まだ大半の社員の人たちとは話せてなかったので、認知度はまだまだ。ここはコミュニケーションをぜひとも。

「あのう。お聞きしたいことがあるんですが。終業時間に流す曲で、リクエストってありますか?」

「「「「え!?」」」」

一同、顔を見合わせている。

「り、リクエストしても良いんですか?」

恐る恐るという感じだ。

「ラヴェルのボレロばっかりじゃ飽きちゃいますよね」

「あっでも、あの曲凄く家に帰りたくなりますよ。最後のティラリーティララララララッ!! で、よし! 帰るぞ!! みたいに」

「あはは、それは良かったです(^ν^)でも他にも色々と音楽かけたいんですよね。私、イマドキの曲、全然わからないんで教えて貰えると助かります〜」

社員の表情が緩んだ気がする。なかなか良いぞ。

「えっと、じゃあ〇〇〇〇の〇〇〇〇で」

「私は〇〇〇〇。有名なやつです」

「〇〇〇〇の〇〇〇でお願いしまあす」

マルの波状攻撃か。

私、こう見えても最近のボーイズグループやらガールズグループやら、あんまり聞かないし知らないので、全てが◯に聞こえるってわけ。

「あ、じゃあ投書箱作るので、その中にいれてください!! お疲れ様でーす」

そう言って、エレベーターを降りた。

役員室に戻ると、さっそくリク用紙を作る。箱に細長い穴を開けて、手作り感満載の投書箱が完成。

上から覗き込んだ佐久間さんが、

「お。なんか面白そうなの、作ってますねえ〜」

リク用紙を一枚取り上げて、ふむふむと読む。


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