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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
商品開発の小山田氏が妹LOVEな件
54/146

EP54


「ちょ、これ、まじ、うまっっ!! 小山田さんっっ天才っっ」

「でしょ? 結構、うめーやつ作れたんじゃねーかと思うわけでして」

『千堂屋』開発部の、小山田慎がキメ顔でどや。

「この抹茶クリームとスポンジの相性抜群。さらにさらに北海道産の小豆。これがまた良い仕事してる! 小山田さん、これなら商品化できる気がします」

気がしますというのは、まあ私の一存では決まることなく。開発部の方々やさらにはトップの方々にも意見を聞いてからの商品化ですから。

けれど、先に試食をさせてもらってるあたり、社長の特権かも〜♪ うまあーい!

「商品化が決まれば、山路商会さんにパッケージ作ってもらわなくちゃいけないので、早めに聞いておきたいんですけど、小山田さん的にはこの商品、どんなイメージで作ったんです?」

すると、小山田氏。

「いやあちょっとわかりにくいかもしれませんが、私の妹に彼氏ができたんでね、『妹の彼氏がうちに挨拶しに来るときに、持参して欲しい手土産』をイメージして開発したんですよ」

なにそのなろう系小説の題名みたいなの。

なんかこの人めっちゃ妹が推しーーー。

「そうですか。参考にさせて貰いますね。その後、妹さん、彼氏とのお付き合いは順調ですか?」

「兄としては複雑ではあるんですが、なかなか男の方が妹にぞっこんでしてね。すっげイケメンで同じ会社ではハイスペ課長なんて呼ばれてんですけど、もう咲ちゃん咲ちゃんって、うちの妹のケツ追っかけてばかりいますよ。ってか、すんません。社長に対して、ケツとか言っちゃって。ちょい言葉が汚かったですね」

「全然ですよー。でも妹さん、お兄さんにも彼氏にも愛されてるわけですね。いーなー」

おっと。

ここで「あーん私もぉ彼ピが欲しーい。社長さあーん、なんとかしてぇぇ」なんて、夢◯通販番組みたいに言ってしまうと、小山田氏から謎の攻撃を食らうから気をつけねば。


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