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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
本社社員との出会い
46/146

EP46


直ぐにどっかに行ってしまい、なかなか帰ってこない。まったくもって自由人。

「あの行動力はすげーけど」

声に出てしまっていたようだ。佐久間っちが、こちらを向いた。

「ね!! ほんとすごいよね。でご本人今どちらに?」

「それがわからないんですよ。家電量販店に行くとは言っていましたけどね。どこふらついてんのか」

「可愛いよね」

は?

俺は耳を疑った。

「なんだって?」

「なんかさあ、結構頑張ってると思うんだよね。東西南北、奔走してるって感じ」

「まあそれはそうですけど」

「可愛いよね」

2度目だな……

「……そうです? あんなのどこにでもいる顔ですよ」

「いやあ顔じゃないんだよねえ。なんだろう。動きとかがさ、小動物っぽくない?」

「ああ……そういえばカワウソにちょっと似てるかも」

ぶっはと佐久間っちが吹き出した。

「似てる似てる!! ま、いげちゃんも相手がカワウソだと思って」

「カワウソだと思って……?」

「可愛がってあげたらいんじゃない?」

「だーーーー!!」

可愛がるだと? そんなことできるかよっ!!

でもまあ、カワウソだと思えば、怒りが抑えられるかもしれんな。やってみよう。



あれ? カワウソだな。

カワウソに見えてきた。反省してるのか、なんかもじもじしている。

「いきなり出てってすみません。どうしても外せないミッションがありまして」

手にはエコバッグ。中に何か入っているようだ。

「これ、領収書です。スピーカー買ってきました」

「……なんのためにですか?」

「社内放送しよっかなって」

「はあ」

「退勤するときに、曲を流そうと思いまして」

なるほど、残業をなるべく無しにする方向でってことか。

「蛍の光かなんかですか?」

社長はううんとかぶりを振り、スマホをカバンから取り出し、曲をかけた。

「これが良いかなって」

「え? これは有名なラヴェルのボレロ? です?」


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