EP23
「今日はこの職場の雰囲気を見てもらうために、彼氏に来てもらってるんです」
「千夏ちゃんの彼氏?」
「はい。店長、悟さん、会ってもらえませんか?」
「う、うん」「はい」
さささ、どうぞどうぞと手で誘導。3人で厨房から店内へと向かうと。
はい、成功。
「ちょっと!! 立花さん、何やってんのあんた!!」
店長が店中に響く声で、叫んだ。
見ると、女狐が井桁さんに抱きついている。井桁さんはスマホ片手に両腕をホールドアップ。
店長の声で、すかさず女狐は離れる。そして、乱れた前髪を手でかき上げた。
セクスィー!!だが怒
「あらあ、店長!! 千夏ちゃんの彼氏ったら、私がちょおっと近づいたら、こうして抱き寄せてきてえ」
そんな風には見えなかったがな!
すると、井桁さんが困った顔で、
「いやあ、迫られてたのは俺の方ですよ。なんですか? この店は店員が客に色目使ってんですか?」
「いやだあ、美香そんなことしてないもん」
きゅるん。
「立花さん、私の彼氏ですよ、私が愛してやまないダーリンに手を出すなんて!」
「そうだ!」
と、ここで目配せした悟さんが声を上げた。
「立花さん、あんた俺にも言い寄ってきたことあったよな」
八方塞がりな立花女史。じりっと後ろへと後退しつつ、店長へと抱きついてwow!
「店長、私そんなことしてませーん。みーんな私がモテるからって、ヤキモチやいちゃってえ。店長ぉー店長は私のこと、信じてくれますよね」
抱きつきながら上目遣い。
だが、ここで店長の冷たい視線に気づいたのか、
「私いぃ店長の奥さんよりだーんぜん可愛いからあ、結婚したげても良いですよお?」




