EP22
そして、私はすかさずカバンから、店長にお借りしている自分のエプロンを出して、熱弁をふるった。
「店長、このエプロンですが、ひとつ気になったことがありまして」
「え? なになに? エプロンがどうしたの?」
私はエプロンを見、そして店長を見、「このエプロン……やけに新しいなと思ったんですよね。新品に近くないですか?」
店長は私の指摘に、ギクッとし、わかりやすく動揺した。
「え、そ、そうかなあ。前にいたバイトさんが使ってたヤツなんだけど……どうだろ? 素材が良いから、使い込んでもクタクタにならないんじゃないかな……な?」
と、悟さんに助けを求めようとする。
それを受けて悟さんが何か言いたげに口を開いたが、私はそれを視線で制止した。
「店長、私の前の方はなぜお辞めになったんですか?」
そこで観念したのか、店長は意気消沈し、ポツポツと語り出した。
「……それがその……職場の環境が悪いとかなんとか」
だろーーーーーーーーーーーーね。
だってその前の人も前の前の人も、3日で辞めてるからね? いったん会社に戻ってから、こちとら調べはついてんだい。
店長はちらっとこちらを見て、「千夏ちゃんもそう思う?」と。
「はい。そう思います」
あっさり即答。
「……千夏ちゃん、まさかまさか千夏ちゃんまで辞めるってことはないよね?」
「親子でケンカばっかりで、正直辞めたいなあ……って思ったこともありましたー」
と、ここで遠い目。
店長は俯いた。そして、悟さんも。
だがミッションはここからだ!!




