EP18
「うん。まだ私は会ってないけど、立花さんって方と、あと佐藤さん。二人とも30歳くらいで佐藤さんは結婚してて、立花さんはシンママ」
「あらあ。そうなの?」
「なによ、ママ」
母が指をあごに添えて、腕組みをする。探偵ポーズだ。
「千夏、まだあなたは若いからわからないかも知れないけどね。シンママに既婚。気になるよね〜もしかして痴情のもつれ……」
「は?? パートさんが店長と? それとも息子と? ってこと?」
「んーーーー 三角関係 だったりしてね?」
「ね? じゃないのよ、ママ。ないない。韓国ドラマの見過ぎーー笑笑」
「そーかしらねー」
二人顔を見合わせてはははと笑う。
私は食べ終わった夕飯の皿を片付け、お風呂に入った。
「お疲れ様〜会長さま、おやすみ」
「お疲れ様〜〜しゃちょーさん」
ベッドに入ると直ぐに眠気。やはりバイトでも立ち仕事は疲れるよね。
気づくと朝までぐっすり眠ってしまった。
*
ちょーーーーと待てえい!
次の日、バイトに入った松谷町販売店にて。
私はお初のパート立花さんと対面して、こりゃあヤバいとその場に立ち尽くしていた。
「初めましてえ。立花でえす。よろしくう」
すでに漂ってる!! 香水の芳しい香りとフェロモンが!!
そして、隣に立つ店長の腕に食らいついてるう。
「ちょ、立花さん、困るよ」
はあ。店長、全然困ってねえや。めっちゃ嬉しそうにデレデレしてんな。
「店長と私い、仲良しなんでえす。ふふふ」
すると、背中に刺さる、厨房からの射抜くような鋭い視線。
はい。あーたの息子が睨んでますよ。
なるほどー。ママ、正解だったわ。