EP15
そして、少し考えた。
はーわかる。わかっちゃうよ!
社長がやろうとしていることが、じわじわわかる。
僕は、件の販売店へと電話をかけた。
*
「クソが」
さっきからこの言葉しか口から出ない。
「なにが夜露死苦じゃ、ボケが」
就任早々、1週間も休みだと?
「なめとんのか、あのバカ娘が」
けれど、メモを渡された副社長の佐久間さんが、販売店に電話をしている。
その内容で、なるほどそういう意図があったのかと思い、なんとか溜飲を下げた。
だが。
「佐久間っち、今日久しぶりにバッセン行きません?」
「ふふふ。ストレス溜めてるねえ。でもま、あの子ついこの前大学卒業したばかりの小娘ってことで許したげて! 生温か〜く見守ろう」
「拝見するお手並みなんてありますかね」
「まああの小娘社長が不在でも、経営は僕と井桁くんで当面は何とかなりそうだから、そんなに心配はしてないし」
「あの先代の娘ですからね。ほのかーに期待できる可能性もあるにはあるんですけど……マジの愚娘だったら俺が〆る」
帰りに佐久間さんとバッティングセンターへ。佐久間っちは相変わらず空振りしまくりのド下手だったが、俺は特大ホームランを2本叩き出した。
ふースッキリした!