EP142
「そうですね。ご報告します」
私は手帳を開き、そしていただいたお茶で口を潤した。
「えーーまずは開発部の小山田慎より申し上げます。商品開発は、自分が何を食べたいかというより、誰に食べさせたいかを考えると、自ずと答えが出てくるのではないでしょうか、と。彼は妹を溺愛してまして、『お兄ちゃん! これ凄く美味しいね♡』を日々の糧とし、精進しているとのことです。モットーは、『それはいったい誰の為なのだ』です」
「はあ」
「そして、最近は妹に彼氏ができまして、その彼氏が手土産で持参して欲しいスイーツをイメージして開発したら、爆売れしたと」
こほんと咳払いをしてから、私は言い切った。
「自分ではない、誰かのために作ろうよ、と。家族、友人知人、そして道端で親切にしてもらった見ず知らずの人。その方たちへの思いを胸に、開発したら良いんじゃない?? と小山田さんは熱く語っておりました」
「な、なるほど。誰かのために、私たちには何ができるか、を考える。うーん。深い」
「ありがとうございます。では次に……」
小一時間、私たちは色々と話し合った。
終業時間を守ることによって、ノー残業を達成。その分の人件費は貯金しておいて、開発費へと回したこと。←新しい生クリーム絞りマシーンが欲しかった
人事部が管理して、社員それぞれのキャパを超えての仕事量は改善させる。
そして、何より社員の意見を上層部が真摯に受け止める。社員の声を聞くために、社内に投書箱を設置。問題があれば、直ぐに改善し、信頼関係を築く。
販売店に赴き、何かトラブルや不具合がないかどうか、そして清掃が行き届いているかどうかをチェックする。
職場での整理整頓と、効率の良い掃除の仕方。終業のミュージックが流れ始めたら、デスクの上を片付け始め、文房具などを出しっぱにしない。これによって、社内は常に整理整頓され、仕事の効率も上がる by掃除のおばちゃんからのアドバイス
などなど。




