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毒舌秘書は社長の私を放っておけない。  作者: 三千
松谷町販売店の秘密
13/146

EP13


私は店員さんに代金を差し出す時に、「裏の方々大丈夫ですかね?」と問うてみた。

すると。

「はい。まあ親子喧嘩っていうか、店長とその息子さんがアルバイトで入っているんですけど、いつもこの調子で」

店員さんの眉が、ハの字になり、はあっと大きなため息をつく。背は丸く、心なしかビクビクしているような気も。完全に萎縮してしまっているようだ。

うーん。これは買い物に来るお客さんも良い気はしないだろうな。

私はおつりと商品を受け取ると、お店を出た。車に乗り込んで帰社したは良いものの。

「気になるよね〜……はい、どうぞ」

購入したリーフパイを配る。

「社長、松谷町販売店の視察、やはり私が同行した方が良かったのでは?」

井桁さんは、冷ややかな顔をして、リーフパイを受け取る。眉をカッと上げながら、iPadになにやら記入し、そして閉じた。

「ふふふ」

笑ってごまかす私。

さあお待ちかねのティータイムでーす!

「では紅茶を淹れたらさっそく会議始めましょう。こちらが資料です。あと、社長からの報告もお願いしますよ。まさか買い物だけで帰ってきたわけではないと思いますからね」

ちーん。

「あ、はーい。わかりました」

もやもやはするが、リーフパイはうまい。これ、サクサクしてて、芳醇なバターの香りがたまんないんだよね〜自社製品ながらアゲ⤴︎

会議の間、私は色々と考えてしまった。松谷町販売店、赤字経営の秘密を。

こうして、井桁さんが作ってくれた資料をざっと見ただけでも問題点がたくさんあるわけで。

会議が終わり、直ぐに議事録を作ろうとする井桁さんに、私は恐る恐る問うた。

「すみません、井桁さん。就任早々大変申し訳ないのですが、明日から……」

「明日から?」

「一週間ほどお休みをください!!」

「……は? 耳が悪くなったのかな、今なんと?」

井桁さんは、手元の資料に落としていた視線を私の顔面にロックオンした。こ、コロサレル。


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