EP112
とはいえ、人間、仕事はせにゃならん。
「隙を見て、俺をかわそうなんざ、一万光年早い!」
そして結果、俺の隣には、カワウソ社長、そして向かいには神林悟が座っている。
俺は改めてこの神林悟を見た。
なかなかどうしてイケメンじゃねえか。背も俺ぐらいに高けりゃ、腕や胸の筋肉も程よくついている。
さすが、『千堂屋謹製クリームどら焼き』の入ったダン箱を、何度も往復運ぶだけあるな。←そんな重くない
「悟さ、(横からの秘書の睨み)えーと神林さん、人事部はどんな感じですかね?」
「あ、千夏さ、(前方からの鋭い眼光で察し)えーと社長、報告しておかないといけないことが、山ほどありまして」
なんだと。こいつ。もう報告することがあるのか。仕事も出来るってこと?
胸の辺りのモヤモヤが始まる。
イケメン、ハイスペ、シゴデキの三拍子揃っている男はそうそう居ない。
(こりゃ社長が惚れちまうのもわかる)
そう思ってから、内心で否定。
(いやいや惚れちまうってのは、仕事上ってことだけどよ。それに俺の方が三拍子どころか、百拍子揃ってっからな)
俺の場合は、あと。
1.見かけに反して性格は優しい。
2.女、子どもには手を出さない。
3.弱いものイジメは許さない。
4.ケン玉が得意。
5.目玉焼きが作れる。
6.過去にクマの編みぐるみを作ったことがある。
7.
etc etc 以下永遠。
どうだ。俺の方が、社長の隣に並ぶに相応しいだろーがよ!




