えっ、これは
単座式戦闘宇宙船ゼロエミッション。
零戦を模して作った小型宇宙船の座席から、パイロットの青年は宇宙を見上げた。
三國志オンライン。
今ログインしているVRゲームの名前だ。
10年前に鳴り物入りで登場してから細々とアップデートを続け、今では宇宙へ進出。
宇宙船で戦うアクション・シューティングへと進化していた。
「今日でお別れか…」
ため息をつくと、ヘルメットのバイザーがすこし曇った。
宇宙船のコンソール画面には沢山の写真や動画が流れていた。
薄汚れた麻服に槍を持ってキメ顔姿の写真。
銃を構えて敵軍に突入している写真。
沢山の仲間に胴上げされている写真。
「はやいもんだよな…。ゲーム内では2000年も進んだもんな」
天下三分の計は2000年破られず続いている。
彼の所属する燭も結局天下を取れなかった。
10年の間にユーザーは減り続け、遂に今日で終焉を迎える。
運営は新しいゲーム「信長の希望」へのコンバート招待を送ってきていたが、彼は三國志オンラインで引退を決めていた。
「最後まで三國か。 このビッグバンが最終イベントとか…かなしす」
宇宙の中心から広がる光に飲まれ、世界が消えてゆく。
光に飲まれていく風景を眺めていたが、ふと思い出したものがあるように手を叩くと、コンソールをいじり始めた。
指がするすると動き、アイテム合成スキルを選択。
UR桃源の誓い
UR子牛の兵法
UR核爆
URタイムリーぷ
手持ちの最上級アイテムを選択していった。
「最後だしな。使わなかった最上級アイテムで合成しちゃおうかな。ぽちっとな」
合成成功!の文字が目の前に浮かんだ。
犬のうん◯にモザイクかけたようなものが両手のなかに。
更にアイテム名欄に目を落とすと、,#¥@_?!.??
「文字化け?見た目もモザイクかかってるわ。やべーの出来たわ(笑)」
鑑定スキルを使っても詳細は表示されず。
やんわりと生暖かい犬の◯ンコを両手にため息混じりに外を見た。
「世界が消えるってのに犬のウ◯コがラストアイテムになるとはね。まじやばだわ」
徐々に光が彼を飲み込み始めた。