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ひたむきステラと星の竜  作者: KEY
第一章 ステラの章 エバフでの日常
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二人の初クエスト

「では、よろしくお願いします」

「ああ、よろしく」


今日の夜はセルテさんにどつかれた後は…あまり覚えていない。どんな衝撃なんだい、セルテさん…。


結局、イグジさんはというと、マスターが自分の部屋に泊めてくれたみたい。


今日はというと、午前中に牙兎を獲れるだけ獲って、午後から少し遠出をして蓄魔力素材になりそうなものを探すことにした。

まずは牙兎だけど、これは探すのは難しくない。

なぜなら…


「あー、いたいた」

大体街の外側の壁沿いにいっぱいいるから。


ただし。


ーーギッ!

ほら、一羽残してみんな逃げる。


そう、彼らは集団戦法を駆使して上手に逃げるの。大体武芸達者な一羽が残って撹乱して、あとは一瞬で土の中ね。


「任せてください!」

弓を構え、狙いを定める。


「いや軽弓じゃ届かな…」


言葉を遮るように弓を放つ。

全然違う方角のようだけどここから風に乗って右に20度、上に4度。次は吹き下ろしで下に29度。そしたらそこはちょうど脳天。


パスッ


地味な音がして、牙兎はパタリと倒れた。


「確かに強弓ではそんな矢の動きは出ないな…距離も100歩はあるんじゃないか?」

「だから、なぜか遠くまで飛び、なぜか的中するんですよ…」自分では説明できない。本当にそうとしかいえないんだから。


効率よく捕まえつつ鮮度を保つため、川へ向かいながら別の群れを探す。


だいぶ先の丘を見据えて、イグジさんのハンドサイン。

この先にいるんだ。本当に索敵範囲が広いんだな。

今度はイグジさんが這って丘を登る。丘の上からだと丘陵全体が標的になるもんね。


出会って初めて、イグジさんが剣を抜く。

剣というよりは鞭を振るように小さく刀を振る。


ーーギャッ!

1羽はやったみたい。


今度は抜刀の構えから…振り抜いた。

特に何の音もせず。

あ、来いってハンドサインね。


イグジさんの隠れる岩からそっと覗くと、既に4羽仕留められていた。

ふえー。


川を目前にまた群れがいる。


「イグジさん、合わせ技してみますか?」

「ん?」


作戦を伝えてみる。


「いいな、やってみるか」


川に向かう真ん中にある大岩。見慣れた岩肌をしているからすぐわかるけど。あれ、魔鋼岩なんだよね。

魔鋼岩は蓄魔素材にはならないけど、魔増幅素材としては優秀。なので


「テキ…イスイ…エダ…バストエテスト…イソレイ」

石を捉え、半径50歩の範囲で地鳴りと地震を引き起こせ


地面に付与を放つと、力が地面を走り抜ける。

岩にたどり着いたところでここからが私の大仕事。


さっきの呪文を再現しようと私の思念が岩の中を走り回る。

すると、ここでは聞こえないけど、ほら微かに…


ーギギッ!


牙兎の群れが巣穴から取り出したところで、イグジさんが待ってましたと剣戟を飛ばす。

あっという間に10羽以上の牙兎が確保できてしまった!


わ、私がとどめ刺したのは1羽だけだけど…。


では、私が血抜きをしないとですね。

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