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ひたむきステラと星の竜  作者: KEY
幕間③
45/294

2つの贈り物

バジット家のドアを叩くと、気のいい女将さんが出迎えてくれる。


「あらあら、おかえり!」

「ただいま戻りました!」

ハグをして、ぎゅっと離さない。


「あなた、ステラちゃんが帰りましたよ」

「おお…おかえり…」


おじいさんはもう、起き上がることもできないほど衰えていた。

おじいさんにかぶさるように、ハグをするステラ。


順を追って、夫婦に報告をする。

道の話、山の話、湖の話、そして『罪の石』での出来事と、預かってきた“水竜の涙”、持って帰ってきたぬいぐるみ。


「…そうかい、レイは…幸せなんだね」

「ステラちゃん、ありがとうね」

二人は涙を流しながら肩を抱き寄せあった。


「確かに私たちは、何十年も、ずーっと謝ったばかりだったわ。あの子がどう思っているのかなんて考えんと、自分のことばーっかり。ばかだねぇ」


二人が笑い泣きしている様を見つめる。


ーーふわぁ


風が舞って、机に置いた“水竜の涙"が青く輝く。


…二人の目には見えていないのだろうか?


ステラが石を手に取り二人に渡すと…


「ああ…レイ、レイ。そこにいるのね」

「はは、最期に…もう思い残すことはないな…」


「…いえ、おじいちゃん。レイちゃんが、『生きて』って。おばあちゃんを一人にしちゃダメよって」


「…はは、怒られてしまったな」


短いが、ゆったりした時間だった。



家の外で待っていたイグジのところに、ステラが戻る。

その手の中にはまた、美しく青く光る小石が握られていた。


そしてこの日より、ステラは『ステラ・ファルスター・シルク』と名乗るようになった。

ここまで一つの街を舞台にした冒険を続けてきましたが、エバフの街中心の冒険はここでおしまいです。水の書はまだまだ続きますので、よろしくお願いします。

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