表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひたむきステラと星の竜  作者: KEY
第一章 ステラの章 エバフでの日常
4/294

昼のお仕事

隣のパン屋さんが二番窯を開けると、固焼きパンに入れたハーブの香りが窓から入ってくる。これが私の目覚ましだ。


「……パン」


まだはっきりしない頭。

どう転がったのか、束ねていた髪は乱れ口や鼻の中に束で入り込んでいる。


なんでか、ベッドの枕と頭のある位置は120度ほどズレ、首はベッドから外れていた。あたたた…

でも、夢見は良かったような…。だいたいこんな感じで目が覚める。

昨晩の湯冷しの水を飲み切ると、今日分のお湯を沸かす。


こういう時、村を出る時ママにもらった魔蔵板が役に立つ。

魔蔵板に向けて魔術を付与する。


「アキア…レダ…ナキ…オノオ…クァナツ」  …水を捉え、炎で加熱した状態を再現せよ


時間は…沸騰後の一定時間。2目盛ね。

先月手に入れたカラカラの喉仏はだいぶ消耗してきたけど、まだお湯沸かせる分くらいには何回かは問題なさそう。台座の窪みに設置して、力の循環を確認すると大きめのポットいっぱいにお水を入れる。


大好きなハーブのパンの匂いを嗅ぎながら、バケットを切り、野菜とチーズを乗せる。

マスターにもらった冷製スープも横に置き、お湯が沸いたところで炒り豆の砕き粉にちょっとずつ回し入れる。

濾し紙を通すと現れる、香ばしい飲み物。最近教えてもらったのだけど、コーヒーというみたい。これにハマっちゃって。


「んーーーーー!」


朝から幸せな食事。たまらないね。


階段を降りて店舗へ。

うん、無人。マスターは午後からだし、セルテさんの出勤は夕方から。


では、今日も掲示板に顔を出しますか。


街に出る。

ひんやりした空気から、陽の光が入ってぐんぐん暖かくなってくる時間。


ひとつふたつ、交差点を越えるとこの街の中心、水竜の泉広場に出る。

現在のこの地域の水竜が生まれ変わった時にできたんだって。

水竜はまだ数回しか出会ったことがない。

力のある人たちは、水竜の護る竜玉を削ってくるんだよね…すごいなぁ。


広場の泉のわきに、お目当ての掲示板はある。


『屋根裏清掃お願いします-1マレル』

『牙兎納品(10羽以下)1羽につき80リル』

『蓄力器素材の採集依頼-出来高払い』


こちらは依頼ボード。

隣には個別ボード。


『ランドルの大型獣肉-出来高払い』

『バレルの何でも屋-出来高払い』


この2人、評判悪いんだよね…。


『ステラの食材採集-出張料50レル+おいしいご飯』

を見ると、依頼タグが2つついている。やったね!


「カナルの実、ヨシカケの実。うんうん、すぐできるね」

「もう一つは…ヤシマンバかぁ…うわぁ、これ1人じゃ難しいなぁ」


ヤシマンバ。シロムクの森でカエンドリを丸呑みにする大蛇。私の軽弓じゃ仕留めきれないと思う。追加報酬10マレルってすごい大金だけど…。


どうしたものかと思っていたら、新しい個別ボードがあるのを発見。

そこには几帳面な字でこう書かれていた。


『護衛・傭兵のイグジ』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ