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ひたむきステラと星の竜  作者: KEY
第十三章 セルテの章 王国の未来と天の声
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殴り込み

この国で、今『選挙』というシステムを知っているのは、私とイグジだけだった。サイトの住んできた地域は王国が崩壊して数千年、住民たちの自治だけ。


よって、私たちが陣頭指揮を取らないと、どんなトラブルや不正が起こるかが見当つかない人たちのみになってしまう。

それでは、王様に提案した側の人間としてあまりに誠意が足りないというもの。


一番考えられるものはどの地域でもどの場所でも… 『賄賂』でしょうね。


私たちはそれを危惧して、選挙のポスターには『無記名による投票』と『秘密保持、非公開』を約束した。

そうでないと、誰が誰に投票したかが明確にならないから。

開票作業の透明性の確保って難しいけど、今回は完全なる第三者として私たちが開票を実施する。

次回以降は大きな課題になるのは、そこはみなさんに考えてもらいましょ。



投票所は大いに揉めた中で、各大都市に、一つずつ設置する。担当するのは行政の長としてヤズグットの下の者たちが当たることになっている。


投票用紙には、私とステラが不正を予防するための書き換え防止や請負人、見届け人の嘘発見システムの構築を担当して、次回以降も使える仕組みづくりを進めた。



「やっと大まかに出来上がったわね…」

「大変でした…」


ステラと私がヘトヘトになったころ、男たちは各担当の地域でそれぞれ見張りをしていた。


そして、やはり西側の島々では色々問題が起きている様子だった。



リングラットの部下が持ち寄った手紙に目を通していく。



「イグジさんから『選挙の運営に不正を疑う声が上がっている』だそうです」

「流石にそれは見逃せないわね」


この選挙に深く関わってきたものとして、適切でない評判を立てられることは正直腹が立つ。でも、そんなことよりも、国民みんなに参加してもらって次の国家の母体を作る一大プロジェクト、変に水を差されて不成立になんてなったら大変。




「…ステラ、私、明日から選挙の日まで帰らないかもしれないけど、気にしないで開票を頑張ってちょうだい」

「え?ちょっとセルテさん!?」


多分、ステラにまともに話したら止められる。というか、性善説を地で行くステラには、どこか理解できないはず。それに口下手なイグジが拗らせるよりも、私が行ってある程度筋道を立ててしまった方が良いのではと思ったの。



リングラットの部下に同行してもらって、私は選挙当日に間に合うように大急ぎで現場に向かった。



王都の端から時空を飛んで、さらにそこから船で二日。

ステラのいない退屈な一日を船で送りながら、やっと見えてきた『水の街ヨック』。




見てなさいよ、ナズリン族だかなんだか知らないけど。

意見があるなら代表になって、議会の場で話しなさい!

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