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ひたむきステラと星の竜  作者: KEY
幕間②
27/294

待ち侘びる夜

最初に引っかかったのは、


“なぜ『採集』すなわち木の実や果実、野草をメインにしているステラに、この地域でもほぼ最大の脅威になる、ヤシマンバの依頼を出す者がいるのか”


だった。


ステラのこれまでの実績は、まさに『採集』であった。

急にこんな重たい依頼をすれば、つまり1人では動けない。


基本お人好しのあの子は、自分宛の依頼を断らないし、自分の受けた依頼を終えるまで、他の依頼も受けない。

つまり、依頼した者勝ちだ。


最初は、その依頼の直後に現れた新入りが怪しいのでは、と考えた。

様子を見るために、私ができる最大限の呪

(まじな)いを彼に授けたが、今のところ、私の呪術が発動する兆しはない。それで十分証拠になる。




『誓約に偽りがあれば、

  肺の臓に穴を開けてやる

 誓約に対して心変わりがあれば、

  両の目をくり抜いて酸に漬けてくれる

 誓約を破ろうと思えば、

  耳を切り取り猫にくれてやる

 大切な娘に邪な手を伸ばせば、

  指を腐らせもぎ取ってしまおう

 大切な娘を置いて逃げ出せば、

  足を捻り折って目の前の脅威の生贄に捧げてやろう

 大切な娘を口説こうとすれば、

  その口に即死の毒が溢れ出るだろう

 大切な娘の手を振り払えば、

  そんな腕は肘から捻り切ってやろう

 そして、大切な娘に嘘をつくなら、

  首を2周捻って折り曲げてやろう


 だが、


 全て誠意で守るなら、呪者の命と引き換えに、

 全ての厄災からあなたを守ろう』




「あーあ、私も過保護だなぁ」


ーーきゅ?


あの子の置き土産が膝の上で月を見上げていた。

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