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ひたむきステラと星の竜  作者: KEY
第十章 ステラの章 地竜の山と死者の海
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砂漠の先へ

気配は、翌日のセルテさんもイグジさんも感じたという。


私たちが獣に襲われて弱るとか、そういう不意を突きたくて待っている?違う。

多分、数日でも尾行していれば、自分達と私たちの実力差がわかる。

上なら襲い、下なら諦める。


じゃあ、何を期待しているの?


「地形、罠、特定の条件で自分達が有利になるのを待っているんだろうな」

砂から飛び出したところでサイトさんの曲刀の餌食になってしまった(曲刀って投げて使えるんだね、知らなかったよ!)マンダナを切り分けて、骨周りのお腹に甘辛いタレをつけて焦がしながら焼いた、名付けて“ワイルド焼き”を、手づかみで名前通りの食べ方をしながら、サイトさんは見解を語る。


「まあ、その線だろうな。よくあるのが一般市民崩れの野盗の類いか」

確かに、前に野盗に襲われた時もそんなんだったような。


「魔術師って線もあるよ。特定の場所に絶対的な攻撃陣を引いているとか、地形に合わせて崖の上を崩そうとしてるとか」

「あー、それだとなんだか弱っちい気配なのも納得できるな」


「…でも、それならその場所で待ち伏せしている方がリスク少ないですよね?」

「…確かに」


大して強くないだろうに、姿だけ隠して尾行はバレバレ、なんて素人のやることだよね。


「やっぱ闘っとくか?」

「バカ!無駄に戦いにしたくないからこうやって頭使ってるんでしょうが!」

「ちぇ」


「なんだか『気にしたら負け』な気がしてきました…」

「実際そうだよな。それだけで俺たちが疲弊してしまっては、向こうの思う壺ってやつだろ」

「とりあえず、地形や陣形に気をつけて、深く悩まないで進むってことね」


イグジさんだけは、特に構えるでもなく、無視するわけでもなく、注意は怠らないように神経を尖らせていた。


その夜も、変わらずついてくる四つの気配。

私は、別の見方をしてみることにした。


私たちについてこないといけない理由があるとしたら?

そうだとしたら、適切な場所まで行けばきっと顔を見せるはず。


じゃあ、ご飯なんかをあげながら進んでいけば、もしかしたら関係をよくできるかもしれないよね。


私は、三人にも黙って、たまにご飯の残りをわざと置きっぱなしにして歩くことにした。



一日、もう一日。

そして、八日目、ついに街が見えてくる。


「やっとついたな。あれがバクステの街だ」

そう言って、サイトさんが街を指差した。

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