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ミンに迫られて

 ヨハネに明日の腕試しは、用意されている木剣を使い素肌でやるということを告げ、部屋に入った。


 部屋の中で、ミンがベッドに座っていた。妙に真剣な顔をしている。顔色がちょっと悪いような気がする。朝は割と血色良かったのに、今日はいろいろあったから疲れたんだろうか?ミンの側に寄ると目に涙を溜めている。

「ミン、大丈夫か?髪の毛、切るって、大変なことなんだろう?イヤだったら止めてもいいんだぞ?」

 オレの言葉にミンは首を振って、

「ううん、もういいの。決めたことだし、髪の毛切るから。でも、切るのは式の前の夜でいい?ギリギリまで待って欲しい。ねぇ、いいでしょ?」

「うん、いいよ」

 と言い、ミンの頭に手をやりなでなですると、ミンはオレの手を取り、頬ずりを始めた。

「ミン、どうした?」

「マモル様、ねぇ、アタシ、髪の毛切ったら、女でなくなっちゃうの」

 と言うが、やっぱりオレにはそこまでの切迫感がなく、そういうものか、というくらいの感じしかない。しかし、ミンにオレの思いが伝わったのだろう。

「マモル様、分かる?マモル様の生きていた世界では女が髪の毛切るのって普通のことかも知れないけど、アタシの生きてる世界では違うの。女を捨てるのとおんなじなの。ねぇ、分かる?」

 ミンは泣きながらオレの腕を振る。


「アタシは、ノンと一緒にマモル様の小屋に行ったときから、ずっとマモル様と一緒にいるって決めてたの。ノンと一緒にマモル様の横に座ってるって決めてたの!でもノンはタチバナ村で死んじゃって......だからアタシはノンの分もマモル様と一緒に生きてくって決めてたの......でも、でもね、マモル様の横にはカタリナ様がいて、サラさんが来て、アノンさんが来て、アタシよりずっとスゴい人、キレイな人、可愛い人が集まってきて、アタシなんてかすんでしまって......もうアタシのこと見てもらえないと思ってた。でも、やっとやっと連れてきてもらった。それなのに、離れてしまうなんて、考えられない。ね、だからマモル様、アタシのこと、アタシの、こと......」

 そこまで言ってミンはオレの胸に顔をつけて号泣しだした。もうこれは抱くしかないんだ。ミンの気持ちは知っていたけど、成長するに従ってノンに似てくるミンを見ていると、連れ子とは言え娘を抱いて良いのか?と思ってた。でももう良いだろう。ミンにここまで言わせてスルーするなんてあり得ないだろう。


 泣いているミンの頬を両手でおおい、顔を上げさせる。目には涙を溜め頬からこぼれていく。

「ミン、良いんだな?」

 聞く必要もないけれど、聞いてしまった。

「うん、ずっと待ってたの」 

 ミンは少し笑って見せた。顔を持ち上げると目を瞑り、待つ。差し出された唇にそっとキスをすると、首に手を巻かれてグイっと引き寄せられ強くキスされた。そして舌が入ってきた。ミンの方から求めるように舌がいれられるのって、そこまでミンは待っていたということなのか?舌がオレの口の中をかき回しオレの舌を見つけた途端に絡んでくる。

「ん......ん、はぁ、んっ」

 ミンの荒い息が聞こえてくる。そしてミンがやっと口を離して、

「はぁ、はぁ、はぁ」

 と大きく胸で息をしている。もしかして、ミンは息を止めてキスをしていたのか?ミンが可愛くて頭を抱きしめてしまう。顔がオレの胸に当てられてミンはイヤイヤしてる。けれど、そのままベッドの上に寝かす。ミンは目を閉じてオレを待っている。胸の上下が大きくて、不安と期待がごっちゃまぜでいるんだろうな。

 目を閉じている顔を見ているとノンとホントに似ていると思う。これを言うとミンは怒るだろうが、似ているモノは似ているんだから仕方ないよな。

 ミンの胸に手を当て、キスをするとさっきの勢いは消え失せて、オレを待っていた。胸に当てた手の上に手をかぶせてきて、強く抑える。

「ミン、ゴメンな」

「ううん......」

 薄く目を開け

微笑んでくれた。こんな可愛いミンをオレが抱いてもいいのかと思いながら、もう止まらなかった。


 コトが終わって、部屋の匂いが鼻に入った。汗と女の匂いだよなぁ。オレの出したモノの臭いはまだ、オレ自身がミンの中なので外に漏れていない。ミンの胸の双丘の間の汗もオレの汗と混じっているんだろうし。『Clean』を掛けてキレイにすればいいんだろうけど、まだこのままでいたい気がした。シーツだってミンの紅華がついているけれど、それもまだ消したくないし。

「ミン」

 声を掛けると、目をうっすらと開け微笑む。

「まだ中にいるの分かるよ」

 と笑うけど、

「もう少しこのままでいいだろ?もうすぐ自然と出てしまうから笑」

「うん、いいよ。何回も言うけど、ずっとこの時を待っていたんだからね。やっと、だよ」

 涙を流しながら、オレの頭を引き寄せキスをする。

 おいおい、そんなことしたらもう一度したくなるだろ。

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