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ミンが具合悪いって甘えてくる

「ではマモル様。私の方でサイトウ様、ホリタ様に連絡だけしておきましょう。アバエフさんの方から連絡があったとき、いつでも来て頂けるように」

「そうだね、それがいい。準備だけしておこう。でも、それまでに悪くならないと良いけど」

「そうですね。国や地方によって、風土病というのがありますから、私らがかからない病気にミン様が感染するということもありますし、油断してはなりません。

 あの~~大変聞きにくいことなのですが、まさかミン様は妊娠されている、ということはございませんよね?」


 え!?と思ってヨハネの顔を見るが、ヨハネは大マジメに聞いている。サマラの時の女の子の日はヨハネに言ってなかったもんな。単に具合が悪いと言ってたし。おっと、もしかしたらサマラも今も、つわりで具合悪いと思われていたのか?

「いや、そういうことはないから。そもそもそういう関係持ってないから」

「そうですか、安心しました。いや、大変失礼なことを聞いてしまいまして、申し訳ございませんでした。もし、そちらの方なら、そちらの方面の分かる者を捜そうかと思いましたので」

「あ、そうか。気を使わせて悪いね。でも、そっちの方は大丈夫。やっぱりヨハネの言った風土病とかの心配もあるな。斉藤さんか堀田さんが来てくれるといいのだけど」

「そうですね。明日さっそく行ってみます」

「え?斉藤さんたちがどこにいるか分かっているの?」

「いいえ、今は分かりませんが、調べさせていますので、明日の朝までには分かると思います。お2人とも、超が付くほどの有名人ですから」

「そうか、なら頼むよ。オレが外に出るのは、何かと目立つだろうから、あんまり外に出たくないし」

「分かっております」


 ヨハネが部屋を出て行き、ドアを閉める音を聞いたせいなのか、ミンが目を開けた。熱のある顔をしているので、目も半開きというところ。

「マモル、さま」

「どうだ?ミン、具合は?何か食べたい物はあるか?」

「ううん、何も食べたくないけど、喉、乾いた」

「そうか、何か果物を擂ったモノを飲むか?それとも水でいいのか?」

「うん、マモル様の『Water』の水がいい」

「それでいいの?」

「うん」

「そうか、ほれ」

 コップをミンに持たせて、その上に手をかざす。そして『Water』と唱えると、コップに半分ほどの水が手の先からコップに注がれた。それをミンが旨そうに飲むが、オレは旨いとは思えないのだが。喉を鳴らして飲み干した。


「ミン、お代わりは?」

「いらない。寝間着がびちゃびちゃになっちゃったから、着替えたい。汗くさい」

「分かったよ」

「ついでに身体も拭きたい」

「分かった。準備してくる」


 階下におり、宿舎の人にミンのサイズの寝間着を頼む。下着はオレのポケットに入っている。寝間着も入っているのだが、こういう高級な宿では洗濯され清潔な寝間着が用意されているので、そちらを使わせてもらっている。


 部屋に戻ると、ミンは横になっていた。長く座っているのもしんどいのだろう。

「ミン、着替えとタオルもらってきたから、身体拭きな」

「マモルさま、拭いて」

「え、オレがか?」

「うん、ひどいからお願い」

「ミンは、甘えただなぁ」

「えへへ」


 ミンは起き上がって、ベッドの上に座る。腕を出して来たので袖をまくって、濡れタオルで拭いてやる。『Clean』で済む話なのだが、これで気が済むならやってやろうと思って。

 両腕を拭いて、

「後は自分でやれよ。オレは部屋の外にいるから」

 と言ったら、

「いや!マモルさま、拭いて」

「でも、ミンの身体見ることに......」

「だって、もうすぐ、一緒になるもん」

「......」

「だから、いい。見て。拭いて。ね!」


 ミンが寝間着のボタンを外して、前を開けた。そこには思いのほか白い肌と小ぶりの胸があった。胸のてっぺんに桃色の小さい粒があった。なぜか、ノンのことを思い出してしまった。

「そんな、見ないで。マモルさま、えっち」

「えっちって。あっと、ゴメンな」

 ミンは寝間着の上を全部脱いでしまった。上半身にはろくに肉がついておらず、骨が細い。こんな華奢な身体で、ポツン村からここまで旅してきたのか。男の中に混じって、途中から徒歩で付いて来たのか、と思う。腕を上げさせると、小さな胸の下にあばら骨が浮いている。

「マモルさま、背中も」

 催促されて背中も拭く。小さい背中だ。前から見て小さいと思うのだから、背中だって小さいのは当たり前なのだが、この小さい背中が愛おしい。首筋を拭き、耳を拭くと、嬉しそうにしている。

「顔も拭いて♪」

「顔くらい、自分で拭けるだろう?」

「拭いて、おねがい」

「はいはい」

 顔を突き出してくる。まるでキスをせがむように。自分の顔を拭くときは、タオルでグルグルと拭いて終わるのだが、ミンの顔はそっと撫でるように拭く。


「さて、上は終わったから、下は自分でやるんだぞ」

「いやだもん、自分で拭けない、から、お願い、してる」

「仕方ないなぁ。足だけだぞ、後は自分でやるんだぞ」

「うん!」

 と言って、ミンはパタンと倒れて、寝間着のズボンをスポンと脱いだ。脱いだ下にパンツはなく、スッポンポンでミンのお姫さまが見えた......いや見えない。その代わり?か、お姫様の上のもやっとした陰りが見える。え、っとミンの顔を見て、また陰りを見て、顔を見る。


「えへへへ」

 これは確信犯だな。

「ミン、今日はダメだからな!」

「分かってるもん。分かってる、でも疲れちゃった、よ」

「分かってるならいいけど」

 ミンは疲れてきたのか、身体の力を抜いてどてっとした。


 ミンはノンに似て、柳腰というか、お尻がドデンと張ってないよなぁ。この世界では、こういうスリムな腰は流行らないんだよ。でもオレはこういうお尻が好き。誰にも言ってないけど。

 お尻の横に座り脚を持ち上げ拭く。脚の付け根にある小さいもやっとしたものが気になるけど、気にしないように、心を落ち着けようと、なるべく見ないように心がけながらも見てしまう。両方の脚を拭き終わった時には、ミンは寝息を立てていた。額を触ってみると、熱は幾分引いたような気がする。

 

 パンツを履かせ、寝間着の上下を着せる。そして『Cure』と掛け、オレも眠ることにした。

 



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