いくら動けないと言っても出るものは出る
「ほう、出たの」
といたってクールなおばあさま。口に出して言わないでください!
「出たのですか?」
ミンは戸惑い気味に言う。当然の反応ですよね。
「そうだよ。ミンの手のお陰じゃよ」
「アタシの手のせいで?」
「そうじゃ。ミンさえ良ければ、マモルのを握ってこすってやれば、もっと喜んでくれるぞ」
「えぇ?無理です、そんなこと」
「そうか?いつか、マモルに抱かれるつもりなんじゃろ?その前に経験しとけば良いと思うがな。まあ、ええよ。では、きれいにしてやろうか?ほら、見てみ。浸みてきとるじゃろ。臭いがスゴいのぉ」
おばあさま、へっちゃらで解説するの止めてもらえませんか?もう良いでしょう?知ってる2人とはいえ、さらし者にされるのはイヤなんですって。それにミンに見せるなんてことはもう!それなのにミンが興味を持ったようで、
「そうですか?」
と聞くもんだから、おばあさまが、
「ホレ」
とズボンを緩めパンツを出す。たぶん、パンツの濡れているのと臭いがしたんだと思う。ミンが、
「あー、これですね」
何が分かったのか分からないが、分かったようなことを言ったと思ったら、
「ノンが、母がマモル様とした後、あった」
と思い出したように言う。やっぱり、ミンは見ていたのかぁ。そういうこともあるだろうと思っていたけど、やっぱりそういうことだよね。よくある話だけど、子どもから聞かされるのはなぁ。あの村にいると、大人も子どもも見物に来ていたような?そういう意味ではミンは経験してないだけで、知識としては入っているんだよなぁ。
『Clean』
やっとおばあさまが掛けてくれて、パンツとパンツの中がきれいになりました、やっと。
「ほれ、しまってやってやれ。でもな、ミン。さっき飲ませた薬は明日の朝まで効くじゃろう。だからマモルは今晩も苦しくなるはずじゃ。ずっとオマエがマモルにくっついて離れないんじゃろう?それはマモルも可哀想じゃよ。たまには1人にしてやれ」
「そうなの?あたしはずっと一緒にいたいけど?」
「それはなぁ......大人の男は一人になりたい時があるんじゃよ」
「なんのこと?......あ、分かった」
「分かったか?」
「知ってる。相手のいない男のすること」
「それじゃよ。だからたまには、マモルを娼館に行かせてやってやれ。まあ、貴族の男なら娼館に付き合いで行くこともあるし、オマエは妻でもないから、マモルの行動を縛るのもおかしいのじゃがな」
と諭されている。ミンはオレの顔を見て、
「マモル様は、アタシを女として見てくれないの。ノン、母の娘だと言って、抱くことできないと言うの。アタシはまだ小さいから仕方ないのかも知れないけど、女の日も来てるし、いつでも子ども産めるし」
とおばあさまに訴えている。おばあさまもオレの顔を見つつ、
「そこはワシには分からんな。マモルなりのこだわりがあるんじゃろ。オマエはマモルがその気になるまで待つより他にあるまい」
と言う。ミンはコクンと頷いて黙る。
「マモルというヤツは、バカの付くほどのお人好しじゃからのう、サラなんぞ子連れの大年増を嫁にするなんぞバカのすることじゃよ。サラを村に置いておきたいなら、一言命令すれば良いだけじゃ。それを律儀に嫁にするとはバカのすることじゃよ。それにアノンじゃったか?嫁にしたんじゃろう?サラよりもっと年のいっとる女を嫁にするなんぞ、なぁ?そんなもん、口約束したのかも知れんが、反古にしたって誰も文句は言わんぞ?アノンだって、本気にしとらんかったろうに。貴族のくせにこいつは、妙に義理堅くてお人好しじゃのう。サラやアノンにしたって、コイツの都合のいい時だけ抱いておっても、文句は言わんだろう?貴族っちゅうもんはそういうもんじゃよ。だからミンに親子だって言って、義理立てしとるんじゃろうし。コイツも分かっとるんじゃろうけど、もう一つ手がでんのじゃろうな」
おばあさまはオレの顔を覗き込んで、オレの頭をポン!と叩き、
「マモル、これで呪文は解けた。ミンの言ったことを聞いていたじゃろう?よく考えてやってくれ。可愛い孫の亭主に、若くて可愛い娘を押しつけるのは感心できることではないが、この子の気持ちも良くわかるでな」
とミンの頭をポンポンと叩いて、
「今の話はマモルもずっと聞いておったから、いつかオマエに手を出すじゃろうよ、ひゃっひゃっひゃっ」
おばあさまは笑うけど、オレは顔から火が出るようだ。ミンに出してる所を見られているのって、親としての威厳?も尊厳?も失ってしまったし、男の赤裸々な性を見せてしまった。でもあんな簡単に出してしまうってのは、薬の効果に驚きである。だって、出してまもないのにもう硬々息子になりつつあるんだし。刺激を受けるような視覚触覚のものは何もないのよ?それなのにこんなに早く復活するのはおかしくない?
1人悶々としていたらミンが、
「今夜、行ってきてもイイから」
と言ってきた。ミンもあっち向いているので、どんな顔しているのか分からないけど、
「いいのか?」
と思わず言ってしまった。言葉に喜色が混じってしまった。ミンが振り返って目に涙を溜めながら、
「イヤだけど、行って良いから!何よ、行ってくればイイでしょ!?アタシは宿で待ってるから!」
叫ぶように言った。ごめんなさい、行って来ます。いや、貴族っていうもんは、そんなこと気にする必要なんてないと、おばあさまが言ってたしな。ふん、ふん!




