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ミワさん7

 何とも言えない雰囲気が漂う中、モァが前に出て、手をパンパンと打ち鳴らしながら、

「はい、はい、これで終わりねぇ!私たちはみんな元気に帰って来たんだから、後は慰労会は別の日に報告するから、楽しみにしててねぇーー!はい、かいさーーーーーん!」

 と村人を強制的に仕事に戻させた。村人は、「なんだ、これで終わりかよ?」てなことを言ってるヤツもいたけど、モァの文句を言わせない目力に散り散りとなっていった。


 なんちゅうか、もはや村長と言っていいんじゃない、モァさん?オレなんて、村外にいることが多いんだから、単身赴任している夫がたまに自宅に帰ってくるようなイメージになってるような気がするんだけどなぁ。とにかく、モァ様様です。


 しかし、オレの3人の奥さま方への説明は、そんなわけにはいかず、集会場にドナドナされて向かいます。当然、今回の遠征に行った当事者は全員連行されています。そして、オレグの奥さまのリーナさんも来るし、バゥの奥さんのユリさんまで来た。ユリさんは、何か面白いことが起きるんだろう?とワクワク感満載の顔をしている。


「それで、どうしてミワさんを連れて来たんですか?もう諦めてますけど」

 とカタリナ様がおっしゃいます。『諦めている』ということだから、オレが真摯に申し開きすれば、丸く収まるということでございますよね?カタリナ様。お隣のサラ様は氷の無表情だし、反対側のアノン様は普通に微笑んでいらっしゃる。まぁ、アノンさんはご自分の時のことを思い返していらっしゃるんですよね。

 仕方ない、ここはオレが訥々と誠意を見せて話そうとしたとき、なんとモァ様が口を開いた。

「『降り人』がキシニフの町にいるということは、前にマモルくんが行ったときに噂で聞いていたんだって。でも、その時は噂だし、調べるのは大変だから、そのままにしてマモルくんは帰ってきたけど、今回のメルトポリの戦役で、ミンがね、キシニフ辺境伯様の命を助けるっていう、大大大功績あげて、帰り道にキシニフ寄ったらさ、何でも希望を言ってくれって言われたの。

 それでね、辺境伯様はあんまりお金持っておられないようだったから、私が『降り人』いるなら、ポツン村に連れて行きたいと言ったの。そしたら辺境伯様が捜して来てくれて、それがミワさんだったの。

 ミワさんはね、この世界に来てから散々苦労して、マモルくんと違って女だから、色々苦労したんだって。それで結局娼館に入ったんだって。それで、身請けしてもらって、ここに連れてきたの、だいだいはこんな感じ。ね、みんな、間違いないよね?」

 と同席している遠征組の面々を見る。特に男どもは睨み付けている、ような?


 モァの説明を受けてユィも、

「そうなの。モァの言うとおり、『降り人』ならどんないい暮らししているかと思ったら、娼館にいるって聞いて、それならゼッタイに出してあげないといけないと思って。でも出してあげても暮らしていけるようにしなくちゃいけないから、それならポツン村に来てもらおうと思って、来てもらったの。いいでしょ?」

 と言う。ここでオレが+して発言しようと思ったら、なんとスーフィリアが、

「ミワさんは、とてもいい方で、キシニフからずっと一緒でいろいろ前の世界のことを教えて頂いたのですよ。ですから、この村でずっとご一緒したいとおもいます。

 私の方からも、よろしくお願いいたします」

 と言った。続いてミンが、

「そういう訳だから、ミワさんを歓迎してあげてくれないかな?マモル様を責める気持ちがあるのは知っているけど、それは夜に2人きりになったときにすれば良いから。ね?良いでしょ?」

 とオレが一言も発言しないうちに、糾弾裁判は終焉に向かっているような気がする。すでにカタリナ様の顔は厳しい表情が崩れてしまってて、諦め顔が出て来ています、ヤッタね!


 しかし、サラ様は依然と厳しい顔つきのままで、男どもを視線でなめ回し、

「今の話は間違いないですね?私としては、マモル様の妻が1人増えようと2人増えようと気にならないのですが(え?ホントに?まだ増えても良いのですか?)、どこかの馬の骨をホイホイ拾ってこられても困るだけなので、一応こうやって話を聞いているだけですから。バゥさん、オレグさん、ビクトル!あなたたちは旅先だからって変なことはしなかったでしょうね?羽目を外したりしなかったでしょうね?私が心配しているのは、マモル様より、あなたたちのことが心配でした。特に、ビクトル!!私はあなたのことが心配で......バゥに連れられて、おかしな所に行ったのでないかと。オレグがいるから大丈夫とリーナは言っていましたが、万が一ということがあるので、母はずっと心配していたのですよ!」

 サラ様の厳しい顔はビクトルが心配だからだったのですか?いや、母親の心配というのは的中するものなんですね!?それを思うとリーナさんのオレグの信頼というのはまやかしだったということが分かります。あぁ、あの闇の中のことを全部ぶちかましたい!正直者のオレとしては黙っていることができない!なんて、自分のことが大方済んだ気がするから、こんなこと考えるんですわね!さっきから一言も喋ってないけど。


 でもアノン様が、

「まあ、いいわ。マモルくんがそんな聖人君子だなんて、アタシの経験からも考えられないけど。モァ様たちがあんなに言うから、信じたことにしてあげる。それにミワさんの境遇考えると、この村にいてもらってもまったく問題ないから。『降り人』なら人に言えないような能力も持っていると思うし、それはおいおい教えてもらうことにするから。

それにアタシもそろそろ代わりが欲しい頃だったから、ちょうど良かったし、ね」

とおっしゃって、一応3夫人がお許しになられたと言うことのようで。


 さて、これで終わりにしていいかなぁ?と思ったところにミワさんが、

「先ほども申し上げましたが、私は『降り人』ですし、狭い社会で暮らしてまいりました。ですので一般常識に欠けることも多く、皆さまに教えて頂き、暮らしていきたいと思っております。どんな仕事もいとわずやって参りますので、どうぞよろしくお願いいたします」

と再度丁寧に挨拶した。そこでカタリナが(もう様を付けてあがめる必要もなくなったような?)、

「ミワさん、よろしくお願いいたします。これまで大変だったと思いますが、ここでは仲良くやっていきましょうね」

とミワさんの手を取ってくれた。カタリナが受け入れを承認してくれたので、後は誰も異論を唱えることはしない。良かった、ホントに良かったよ。はねつけることはないと思っていたけど、いくつも山と谷を越えないといけないと思っていたから

「じゃあ、これでミワさんの受け入れについての話は終わりにしましょうね!ミワさんが娼館にいたってことは内緒にしてくださいね、お願いします!

 そしたら戦役の私の活躍をお話したいと思います!」

 とモァが言うとユィが、

「モァばっかり活躍したんじゃないでしょ!?私だって活躍したんだから!?」

 と言いだし、ミンもスーフィリアも話に加わって、戦役の話に移行していった。


 その夜、オレはカタリナの部屋にいた。妊娠したら、妻と一緒に寝ることはいけないという風習があると聞いていたけど、今日は帰ってきた日だからかカタリナの部屋にいる。久しぶりのポツン村のカタリナの部屋。戦役の出発から今日まで溜まりに溜まっているので、サラさんかアノンさん相手に爆発しようと思っていたのに、カタリナに呼ばれるなんて、今晩は賢者でいなさいということなんですね。

 でも賢者になれと頭が考えていたところで、カタリナの匂いを嗅げば自然と硬々息子に変身するわけで、隠していたところで分かるわけだから、そこは堂々としていようと思う。

 カタリナが何か言おうとする前に先手を取って抱きしめる。そして口を塞ぐ。いったいどれだけぶりなんだろう?3か月?4ヶ月?妊娠してると分かってからずっと触ることさえできなかったんだし、そりゃ硬々息子がカタリナの腹に当たって、存在感を示しますわな。


 カタリナは顔を離すと、硬々息子を握りながら、

「マモル様、ミワさんのことは仕方ないのですが、あまり増やされないようになさってくださいね。可哀想な方はたくさんおられますが、その方たちをみんな連れて来られると村では収容しきれませんし」

 とおっしゃって頂きました。むむむ、カタリナさん、もう弾は充填されているのですよ。というか発射寸前なのですよ!いけません、もう、もうダメですってぇぇ!!

 と思った途端、硬々息子から飛沫が飛び散ってしまった。この量たるや、自分のことながらなんとも言えない量で、カタリナの顔にかかり、髪の毛にまでかかってしまった。


「ま、マモルさま、す、すごいですね。量もすごいし、臭いが濃くて、これはホントにどこにも遊びに行かれなかったのですね?私はモァさんの話を聞いて半信半疑だったのですが、これを見て信じる気になりましたよ」

 と顔にかかった白い液を拭いながらおっしゃるカタリナ。もう、それってエロいのなんのって。おなかが出て来て母の顔が垣間見れることもあるけど、今は女の顔に振れてます。

「あら、出たばかりなのにもうですか?」

 とカタリナに言われるくらい再生力に優れている息子。今晩はカタリナのお姫さまのお口に頑張って頂くわけにはいかないので、上のお口と指に頑張っていただくことにいたしましょう。

 あぁ、夜はまだ始まったばかりですから。

 


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