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ドラマの始まりです

 大事なことだから繰り返します。


 真っ暗の中、いよいよドラマが始まる。なんて大げさな、という気もするけど、本当に久しぶりだから、胸の鼓動が感じられる。もう勃つものはいきり勃っている。


 アンをベッドに横たえキスをする。アンは何をすることもなく、されるがまま。

 キスをしてアンの口の中に舌を入れるが、アンの舌は応えることをしない。あれ?何にも反応ないの?と思いながら続けていると突然

「ブハッ!」

 と言って、アンが口を離し、ハァハァと息をしはじめた。え、息を止めてたの?まさか、キスしたことがないなんてこと、ないよね?これは聞くべきだろうか?


「アン、キスしたことがなかったわけないよな?」 

「したことあるけど。でもこんなキスをしたことはなかった」

「こんなキス?って、ダンナとはどうしていたんだ?(こんなこと聞いていいのか?地雷踏んだ?)。その人とはどういうキスをしてたのか?」

「前のダンナとは2年一緒に暮らしていたけど、こんなキスは初めて。キスは口を付けてすぐに放していたから、舌を入れられたのは一度もなかった」


 え、そうなの?それでアン、気持ち悪いとか、非常識とか感じませんでした?

 生理的にダメとか言われると悲しいんですけど。オレの常識とアンの常識に、えらく差があるような気がするから、ここはちゃんと聞いておかないと、いろいろと問題が生じる気がする。だって、大事なことだからね。キスで舌を入れることさえ、なかったというなら、あんなことやこんなことがこの世界では非常識かも知れないしね。

 オレの常識と言っても、3人の女の人と関係あっただけだから、前の世界の日本の中のほんの一部の常識に過ぎないけど、一般的な日本人の常識だし、いや常識だと信じてる。


「そうなのか、オレの世界とは結構違うな」

 と、世界が変わると常識が違うことを伝えておく。そうしないと、オレが当たり前と思っていることをして、アンがびっくり仰天、天網恢々魑魅魍魎、と思われたら大変だし。マモルは違う世界から来たので、違うことするのは当たり前、ちょっと変な人、変な嗜好の人、くらいで思ってくれていたらいいけど。


「オレの世界では、相手の口の中に舌を入れるのは普通のことなんだ」

 と言ってまた、キスをする。アンはまた、息を止めてるようだ。

「アン、息は鼻からすればいいから」

「そうか......」

 アンがかわいくなって抱きしめる。

「オレの世界とアンの世界がいろいろ違うように、これからオレのすることも違うと思うけど、それってオレの世界の常識だから驚かないで。ただ、痛かったりイヤなことだったりすることをオレがしたら教えて」

「わかった」

 

 オレはアンの服を脱がせてベッドに横たえる。真っ暗だから何も見えないのが残念だ。いつか『Light』を使って、身体の隅々を見てみたい。暗視スコープみたいな魔法ないかな?これって生活の役に立つと思うよ?あ、でも英語でなんと言うのか思い付かない。


 アンの胸に手を置くと、見かけ通りごくごくささやかな高みがある。山というものではなく、なだらかな丘というくらいだ。身体だけ見たとき、前と後ろの区別が付くか付かないか微妙なラインですな。それでも、ホントに女の人の肌を触れるのが久しぶりで、有り難くて拝みたくなる。『Clean』のおかげか、アンの肌もすべすべ、しっとりだし。当たり前のことだけど、女の肌というのは尊いなぁ。


 アンの胸を触っているとアンが聞いてきた。

「マモルはいつまで胸を触っているの?」

 え、これもおかしいんですか、この世界の常識では?

「オレの世界ではこのくらい普通だぞ。アンはイヤなのか?」

「そんなことない。マモルにさわってもらってスゴく気持ちいい。だからずっとさわってもらっていいけど、こんなの初めてだから聞いてみた、あ、あ、あっあん」

 やっぱり。これは、この世界の常識というものを理解しておかないといけない。そうしないと後々禍根を残すことになる、きっと。

「アンは前に一緒に暮らしていた人とは、どうしていたのか教えてくれないか?イヤならいいんだが(また同じことを聞きます)」

「別に......みんなとしていること、は同じ。アタシと死んだダンナは15だったから、初めて同士だった。でも、こんなことはみんな見て知ってるし」


 え、見て知ってる?見て知ってる、というのはどういうことですか?どこで、どうやって見ていたのですか?この世界、テレビもエロい本もエロいDVDもインターネットも、ないでしょ?見て?見て?何を見たのだろう?教えて、アン先生!


「見て知ってる、って何を見たの?」

 胸の頂きを指でいじりながら、

「みんな、人のやってるのを見る。子どもは親のしているのを見てるし、アタシみたいに親のいない子は、他の大人のするの、見た、んんんん~~~」

 え?大人のするのを見に行くの?

「隣の家の大人のを見るっていうのは、見せてもらうのか?」

「ええ?そんなこと、ない、よ。板の隙間から、見る。きっと、アタシたちのも、見てる人がいる」

「え、そうなの?確かに話の流れからするとそうだよね」

 家の外に人がいるか気配を感じようとするが、分からないなぁ?


 もしかして、おれは衆人環視の中で致そうとしてるのか......思わず、アンの胸をなでていた手が止まってしまった、胸から離しはしないけど。

「マモル、どうした?」

「オレの世界では、これを人に見せることはないんだ。だから、びびってる」

「そう、アタシは気にならないけど」

「そうは言ってもオレの気持ちがな」

 アンの耳元に口を寄せ、囁く。

「アンは見に来ている人の気配が分かるか?」

 オレが小さい声で聞いたので、アンもオレに合わせて、オレにしか聞こえない声で囁く。

「うん、だいたい分かる」

 やっぱり-----!!!!

「そうか、オレは人に見られたり聞かれたりしていると思うとできないから、一度止めて今日はしないと言う。そして、人がいなくなったら、また始めよう」

「あはは、いいよ。でも、そんな面倒なことしなくていいのに」

 

 家の外の聴講者の皆さんに聞こえるように言う。

「アン、オレの世界では人が見たり聞いたりしていると思うと、できないものなんだ。だから明日にしようか」

「わかった、じゃあもう寝よう」

 うまく、アンが合わせてくれて、2人で黙る。


 外でなんとなく、ため息をつくような音がした。

「ごにょごにょ......」

「ち!なんだよ、しないのか」

「まぁ、仕方ないよね、マモルはここにいたわけじゃないから」

「......」

 何か、ザワザワしながら声が小さくなっていった。ギャラリーの方たちには残念な思いをさせたけど、オレはビビリなので、人が見たり聞いたりしていると思うとできない(気がする)んです。申し訳ありませんね。と思いつつ手はアンの胸から離れていないし、ずっとお役目を続けていますが。お陰でアンのあえぎ声が小さく続いておりますよ。

 

「アン、誰もいなくなったか?????」

 囁くような声でアンに聞く。

「うぅぅぅ......いなくなったと思う」

「念のため、しばらくこうしていよう」

「ウン、でも、声が出そう......前は、こんなに胸を触られたこと、なかったから、気持ち良くて苦しいよぉ」

 アンはオレの胸に顔をうずめてくる。もぅ、可愛いなぁ。


 しばらくして虫の声しか聞こえなくなったような気がする。

「アン、始めるよ」

「ウン、もうダメかも。こんなこと一度もなかった......あん」

「え、そうなのか?」

「ウン、前はこんなに長く胸を触られたこと、なかった。前はキスを少しして胸を少し触られて、下を触られて、入れそうならすぐに入ってきた。入れそうになくても入ってきて、痛いことがあった......あん」

「そうなのか。なら、オレのすることはダンナと違うから、どんなことしても、とりあえずガマンしてくれ」

「こんなの続けられたら、声が出てしまう......ダメかも知れない......大人たちでこんな声を出している人はほとんどいない......声を出すのは変かと思ったけど、出てしまう......あぁ、アタシは変かも知れない、んんんん」

「いや、気持ちが良くなれば、自然と声が出るものだって。オレの世界はそうだったから安心してくれ」

「そうなの。アタシ、ずっとそんなことなかったから、オカシイと思って......」

 だんだん、アンの声がおかしくなってきた。やっぱり、いいなぁ。ブランクがたっぷりあるけど、今日一日休んだお陰か絶好調か。

 指だけで胸を触っているのは限界があるし、口を付けてしまう。そして指は下の方に。あら、すでに温泉が湧いていますね。アツアツのお湯が浸っています。

「アン、スゴいことになっているよ?」

「うううん、分からない。どうして、か、分からない。こんなの初めてだもん♡」

 アンの声が鼻にかかってきた。いつものちょっと低い冷静な声とは真逆ですな。いよいよ佳境に入ってきましたね。


 口と指でアンの身体がクネクネが激しくなる。アッ、アッという声が続いている。アンのお姫さまがアンの意思なく勝手に動き出している。どんどんお湯というか、もっと粘度の高い液体を垂れ流して、指先がべっとりと粘ついている。アンのお姫さまがクフクハと呼吸するように開いたり閉じたり。お姫さまの中に隠れていた芽が芽吹いて来て、触って欲しいとリクエストし出した。指が良いのか、舌が良いのか、やっぱりこれは舌でしょう。

 頭を下げていくと、アンは何をされるか分からない(経験がないのかな?)ようで、どうしたの?という表情をするけど、かぱっとアンのお姫さまを口に入れると、

「えっえっ、ダメ!汚い、汚いから、そんな、そんな、こと、したら、ダメ、だってぇ......」

 と言ってオレの頭を押しのけようと手を当ててくるけど、だんだんと手の力が弱くなってきています。アンさん、いかがでしょう?まだ、始まったばかりですよ?夜は長いんです。

 舌先で転がすと、上でアンが跳ねる。のけぞって

「アアアアァァァ......」

 と言ってる。さらに続けると、お姫さまがクハクハと早く早くとおっしゃっている。もう、ガマンできない、オレも余裕なくなった。


 翌朝、まだいくらか暗いうちに目が覚めた。アンはすでに目を覚ましていたが、オレに抱きつくように横で寝ていた。アンの顔を明るい所でしげしげと見ると、可愛い。夕べは、久しぶりの息子の活躍でオレも満足して、よく眠れた。アンも最後までよくガマン?してくれた。たぶん、初めて経験することが多かったようだけど、何も言わなかったな。


「アン、おはよう」

「ん、マモルおはよう」

 そのままアンにキスをする。アンはぎこちないけど応えてくれる。おぉ、夕べに比べて大きな進歩だ!満足して顔を離す。


「マモルには言わなかったけど、私たちがしているときに、また集まってきた」

 え?そうなの?それはどうだったんだろう。皆さんに楽しんでもらえたかしら?せっかくいらしたギャラリーの方たちに満足してもらって、帰られたかしら。

 夕べは、そんなこと考える気もなかったけど、今は違う。満ち足りた朝を迎えて余裕ある発想ができてる。うん、できる男は違うね。


「アタシ、朝の用意に行く」

「分かった、オレも顔を洗いに行くから」

「マモルは少し遅らせて来て」

「そうか、分かった」

 アンの言う通りに、少し小屋で時間をつぶす。一緒に出ると冷やかされるからかな、恥ずかしがり屋さんなんだ。

 

 部屋ですることもないので、魔法の練習をする。

『Light』

 さて『Clean』はどこに使おうか?オレの全身に魔法をかける感じはどうすればいいのだろう。夕べ、アンにかけたときは全身に回るようにイメージしたけど、それと同じような感じかな?

『Clean』

 おぉ、イケた。これだよ、これ。何この全能感!たったこれだけの魔法使えるだけで、こんなに気分が高揚するんだから、ファイガとかブリザガとか使えて、辺り一面の敵をやっつけられたら、もう天上天下唯我独尊状態になるのは仕方ないわ。ちょっと前まで魔法なんで何も使えない小市民だったもんね。婆さまに言われた通り黙っていようっと。さて次は何の魔法を覚えようか?でも、つい練習しすぎるという前向きな学習意欲を持ってるオレだから、これくらいにして顔を洗いに行くか?


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