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夜は更けゆく

 結婚式から舞踏会という怒濤の流れに身を任せ、ほとんど断片的な記憶しかない中、オレとカタリナさんは、すべての公式行事が終わり、オレの泊まっていたホテルに戻ってきています。


 舞踏会では、カタリナさんと踊り、クルコフ子爵様の奥様と踊り、(花嫁の母と踊るということで)ペドロ会頭の奥様のハンナさんと踊り、せっかくだからということでロマノウ商会のセルジュ会頭の奥様のマリアさんと踊って、やっと帰っていいよ、と言われてホテルに来て、衣装を脱がされ、カタリナさんが来るのを待ってます。


 オレは舞踏会では疲れ果てて、顔が引きつっていたと思うけど、カタリナさんはずっとニコニコと笑って、さすが大商会の会頭の娘だって思ったし。


 どでかいベッドの真ん中にちょこんと座って待ってると、居間から通じるドアがノックされ、メイドさんに連れられ、カタリナさんが入ってきた。カタリナさんが部屋に入ると、メイドさんは会釈して部屋の外に出て行く。良かった、部屋でこれから事の一部始終を監視するという訳ではないようで。


 カタリナさんはドアの所に立ったまま動かないので、おいでおいでをするけれど、動かないので、ベッドを降りカタリナさんのところに行く。カタリナさんは顔を上げ、オレの顔を見つめてくる。ドアの辺りは暗いので、人差し指を立て、

『Light』

 と唱え、小さな灯りを指先にともす。カタリナさんって、秘密の部屋の頃のハーマイオニーに似てると思ってたけど、こうやって見るとやっぱり似てる。

 あまりの可愛いさにギュっと抱きしめてしまう。そうするとカタリナさんもおずおずと抱き返してくれる。そのまま、時間がどれだけ経ったか分からない。おっと、カタリナさんはオレ以上に疲れているんだった、早く寝かさないと。その前にすることはするけどね、えへへ。


 手を引いてベッドまで連れて行き、ベッドに上げ、真ん中に座らせる。もしかしたら、すぐに始まるとカタリナさんは思っているかも知れず、緊張で身体中カチンコチンとなっている。しかし一大イベントの前に、オレはちょっと確認しておきたいことがあるから。


 カタリナさんの手を握り、

『Cure』

 と呪文を唱え、そのまま弱く弱く魔力を流してみる。カタリナさんに少しずつ魔力が流れて行っているのを感じる。


「あ?」

 カタリナさん、ビクッとしてる。

「どう?」

「はい、何か身体が楽になって、疲れがとれたような気がします。何か身体に入ってきたような?」

 うん、八の字眉毛が普通になったね。疲れと緊張が少し安まったかな?表情が固まっているのが、少し緩んで来て笑顔が見れたよ。


「なら、良かった。今日から、カタリナさんはオレの妻になったのだけど、これからオレはあっち行ったり、こっちに行ったり、カタリナさんの側にいないこともあると思うけど、気持ちはカタリナさんと一緒にいるということを知っていて欲しいんだ」

「はい、分かってます」

「それで、カタリナさんを抱く前に、確認しておきたいことがあるんだ」

 カタリナさんは「何?」という顔をする。はぁ、可愛くてデレる。

「カタリナさんに魔力をあるかどうか、確認したことがある?」

「いえ、ありません。私の家族に魔力持ちはいないので、私が魔力持ちとは考えたこともなく、両親もそういうことを調べさせたこともありませんでした」

「やっぱり、そうなんだろうね、普通はそうだと聞いているから。でも、魔力持ちは自分でも分からず、隠れていることがあるんだ」

「そうなんですか?」

「うん、そうなんだ。これは試してみないと分からないのだけど、さっきみたいに魔法の呪文を掛けたときの反応で、なんとなく分かるんだ」

「はい......」

「今から魔力を強く流してみるけど、カタリナさんが魔力の流れを感じることができれば、魔力持ちで、呪文が使えるということが分かる。流してみるね」

 カタリナさんの手を持ち、少しずつ強弱をつけながら魔力を流す。


 最初に魔力を流したとき、カタリナさんはビクッとしてるけど、右手から流した魔力が左手から返ってくるのが分かる。うん、これだ。

「カタリナさん、分かるかい?カタリナさんの左手から何か流れて来て、右手からオレの方に抜けていくのが?」

「ハイ、何か温かいものが身体を通って流れているような気がします」

「そうかい、それなら少し強く流すよ?」

 魔力を少し多めに流す。あぁ、スムーズに流れていく。カタリナさんが目を上げ、オレを見てくる。眉が下がってきた。


「分かります。これが魔力ですか?温かいものが強く、マモル様から来て、マモル様に返っていくのが、分かります!!」

 へぇ、これはスゴい!カタリナさんの中に大きいタンクがあるような感じ。ノンは小さいけど、カタリナさんはずっと大きい。ミンと同じくらいかも知れない。でもタンクの中に汚れが溜まっていて、ちょっと引っかかりがある感じがする。汚れは強く魔力を当てて、洗い流すようにしないと取れていかないような?そこを目がけて、夢中で魔力を当てている。少しずつ、取れてきた、あと少し、って夢中でやってると、握っていたカタリナさんの手が汗でびっしょりになって、顔を見たら汗びっしょりで、唇を噛みながら、必死でガマンしているような顔をしている。もう、真っ赤っかになってて、頭から湯気が上がりそうな感じになってた。


「ごめんごめん、カタリナさん、大丈夫?」

「  ハイ、 ハイ、 なんとか、 大 丈 夫 で す。でも、 少し 休ませて ください」

 息も絶え絶えに言ってきた。あ、やっぱりあの反応なんだ。初めてだから戸惑っているけど、それ系の反応なんだ。


 少し休憩して、また続ける。だんだんとタンクの中がきれいになってきているのが分かる。それに合わせるように、カタリナさんが腰を上下しだし、声を出そうになってガマンして、首を振り出し、終いにはオレの胸に頭をぶつけて来て、どん、どん、とリズムを刻む。止めようかと思ったけど、面白くなってきて止められなくなってきた。

 さらに魔力を強く流すと、声が漏れてきた。

「えッ、 あッ、 んッ、 んん、 あァ、 あァァ、 あァァァ、 」

 だんだん、それ系の声っぽくなって来てる。


 魔力を流すのを止め、手を離しカタリナさんの頬を挟んで、顔を上げてオレを見させると、もう瞳は涙が混じっていて、ちょっと焦点が定まっていない。おかしくなって、フッっと笑ったら、ほっぺをぷくんと膨らませて、ベッドに顔を埋めた。

 ちょっとやり過ぎてしまった。

「ゴメンね、調子に乗って」

「ひどいです、私はこのまま、どうなるんだろうって思いました。ほんと、ほんとにどうなるんだろうって」

「そうか、ゴメンね。でも、何か違ってない?」

「ハイ、身体が熱いです。身体の中に何かの流れがあります」

「うん、それが魔力の流れなんだ。もしかしたら、呪文が使えるかもしれない。指先に魔力を集める感じで、唱えてみて、『Light』」

「うーーーん、『Light』」

 ぽっと指先に小さい、小さい灯りがカタリナさんの指先に灯った。


「あ、できた!!」

 パチパチパチ!

「ね、できたでしょ。でも、すごいよ、初めてでできるなんて」

「はい、ありがとうございます。でも、私が呪文使えるなんて信じられない、もっと呪文を教えてください♪」

 にこにこのカタリナさん、可愛いなぁ......。

「うん、でもそれは明日からにしよう。今夜は他にすることがあるし」

「はい」

 前にサラさんのおばあさんが言ってた「魔力持ちは群れをなす」って。こういうことかも知れない。


 かわいい妻にキスをする。カタリナは初めてのキスだったのだろう、唇が硬く、突き出されただけだ。それでも緊張していたようで、唇を離すと、

「はぁ!?」

 と言った。あんまりかわいいので、ククッ!と笑うと、

「何かおかしいですか?」

 ちょっとむくれて聞いてくる。

「いや、ごめんね。あんまりかわいいから、嬉しくて笑ってしまったんだ」

「かわいい?そうですか?」

 ちょっと溶けそうな笑顔を見せてくれる。

「じゃあ、脱がすね?」

「ハイ」

 シミーズの肩紐を落とすと、ブラジャーのようなものがある。若妻だからか、花の刺繍がされている。すごいなぁ、ご両親は末娘の初夜に夫に見せるためにこれを着せたのか。そのブラジャーを外すと、少し大きめのお椀を伏せたようなオッパイが出てきた。頂点に乳首がちょこんとある。薄い茶色の乳首が存在を主張している。これまで誰の男の手にも触られなかった乳首を、これからオレがさわらせてもらうのか。感動が全身に広がる。


 夜は更けて行きます。作者、自主規制により、以降割愛させて頂きます。


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