ノンが教わったこと
サブストーリーでサラさんのおばあさまから、ノンが教わったことを載せました。
サラさんのおばあさまから、いろいろと教えてもらった。
アタシとミンは、マモル様に連れて行かれて、ハルキフという町に行った。サラさんのおばあさまがおられて、アタシたちに呪文を教えてくれるということで。
おばあさまの言うには、おばあさまが若い頃は、おばあさまの周りに数人の魔力持ちの女の人がいたということだ。そして、おばあさまのおばあさまが先生だったそうだ。
先生のおばあさまはずっと昔から、口づたえで伝えられてきた呪文を教えられたという。おばあさまの先生も、その先生も読み書きができなかったから、先生の言うことを真似して、覚えることしか方法がなかったそうだ(うーーー、よく分からない)。
おばあさまの先生は、魔法の呪文が使えることが幸せかどうか分からない、と思って、密かに魔力を持っていそうな人を試して、その人が魔力を持っていれば、そっと呪文を教えるということを繰り返して、伝わってきたものだと言う。
魔力を持つ者は、女の人に多いそうで、母親から娘に伝わることが多いらしい。だから、アタシも母親が魔力持ちだったのだろうと言うことだった。ミンが魔力持ちということも、アタシの能力が伝わったのだろうと。
魔力を持つということは、本当に生きて行くのが大変で、たまに生まれた魔力持ちの男の人の場合、たいてい攻撃の呪文が使えることが多いそうだ。だから、男の人が魔力持ちということが知れると、必ず兵隊に取られて、戦いの先頭に立たされる。危ない場面に会うことが多いから、だから、長生きできず、兵隊に取られて何年も経たないうちに死んでしまうことが多いって。
女の場合、病気を治したりできる呪文が使えることが多いんだって。そうすると、魔力が尽きるまで病気やケガを治させられたりすることが多くあるそうだけど、魔力を持たない人が見れば、さっきまで平気な顔して病気を治していたのに、急に治せなくなったと言ったって、怠けているとしか見えないんだって。だから、魔力が尽きるまで使われて、気を失って、気が付いたら、また使われてを繰りかえさせられるんだって。魔力が尽きるまで繰り返し使われると、心が病んでしまうんだそうだ。魔力が尽きたときの苦しみって、持たない人には分からないから。
貴族の人の病を治すために呼ばれて、病を治せなかったときに、ひどいことを言われて、たたき出されて迫害を受けたり、殺されることもあったらしい。おまえは病気が治せると聞いたから呼んだのに、治せないなんて大ウソつきだ、なんてね。
だから、生まれてきた子どもが魔力を持っていそうなとき、その子が大人になって、魔力を持つことの意味を分かるようになるまで隠しておくことが多かったとおばあさまが言った。そして、あなたたちはマモル様という庇護の下にいるから、大切にされているけど、普通はそんなことないのよ、と言った。
おばあさまは、産んだ子どもが男の子だけで魔力を持ってなかったから安心したそうだ。そして、その息子の子どもが2人とも女の子だった(サラさんとリーナさんのこと)から心配したけど、2人とも魔力を持っていなかったから、安心したのと自分の呪文の知識を伝える相手がいなくなったことで、ちょっと残念だったそうだ。
でも、アタシたちに会えたから、自分の持っている知識をみんな、アタシたちに伝えることができて安心、と言って笑った。
おばあさまはアタシとミンの手を取って、3人で魔力を流すことを始めた。これを上手にできるようになれば、アタシとミンのどちらかが魔力が尽きても、魔力の残っている方から渡すことができると言われる。おばあさま、アタシ、ミンと3人で手を繋ぎ、魔力が3人の間を流れるのって、すごく気持ちがいい。おばあさまの魔力とアタシの魔力、ミンの魔力はなんか少し違うのだけど、3人で流し続けるうちに、だんだん同じになっていくのが分かる。何か詰まっていたような所が、少しずつ、キレイに通るようになってくるのが分かる。マモル様とやったときは、マモル様の魔力が荒くて、ちょっと自分には強いように感じたけど、おばあさまの魔力はわりと近い感じがして、とっても良い感じがする。
3人とも色が違う水が混ざって、同じ色になっていくような感じ?
試しに、サラさんを呼んで、4人で魔力を流してみた。そうしたら、サラさんの所で魔力が止まってしまう。サラさんの中の細い細い管の中を魔力を通すような感じかな?サラさんの管が細いのか、詰まっているのか分からないけど、何とか魔力を通そうとすると、サラさんがクネクネし始めて、顔を真っ赤にして、しまいには喘ぎ始めたのには驚いた。
サラさんの言うのには、アタシたちの握った手から全身の神経に何かが流れる感じがしたんだって。それが全身を撫でるような、すごくくすぐったくて気持ちいい感じになるんだって。それってアレと同じじゃん、と思ったけど黙っておくことにした。
サラさんがいなくなってから、おばあさまから透明な玉をもらった。前にマモル様からもらった玉と同じもの。おばあさまが言うには、魔力を貯めておける玉なんだって。もう、おばあさまは年寄りだから、この玉を持っていても役に立つことはないだろうから、アタシたちにあげようと言われて、もらう。
おばあさまは、この玉に毎日魔力を入れて取り出すことを練習しなさいって。その魔力を早く入れて、早く取り出せるようになることが必要なんだって。
呪文はいくつか教えてもらった。でも、人に言ってはいけないって。たとえ、それがマモル様でも、言ってはいけないんだって。また来ることがあれば、教えてあげるよ。今度は、リーナと一緒に来てね、とお願いされたし。う~ん、マモル様の気持ち次第なんだけど。
アタシは攻撃系の呪文が合ってるそうだし、ミンは病やケガを治す方の呪文があっているようだ。とにかく、繰り返し練習しなさいって。攻撃の呪文なんて、使うことがなければ、それが一番なんだけど、最後の最後に使う呪文は自分を犠牲にしても大切な人を守りたいときに使う呪文も教えてもらった。それは練習できない呪文だし、1回限りの呪文なんだけど。おばあさまは、使うことなく済みそうでよかったよ、だって。
街中とかで、変な男が近寄って来たりして手を掴んできたりしたら『Discharge』と唱えなさい、と言われた。けど、何なんだろう?どうなるの?って聞いたけど、やってみれば分かるって。アタシは街に行くことがないと思うんだけど、村に帰ったら、ネストルさん相手に試してみようか?
サラさん、ごめんね、へへへ。




