背景について
読んでいただきありがとうございます。
先日、地図だけをアップしたところ、アクセス数がトップとなり、こういうのは必要とされているのだろうか?と考えました。
他の小説ですと、登場人物の一覧がでてきたり、スキル解説があったりするのですが、辻褄を合わせるのが非常に面倒で、考えただけでも億劫になります。いつか、そういうものをアップしないといけないだろうとは思っていますが、しばらくお待ち頂きたいと思います。
今回、アップするのはこの小説の背景設定です。私がこのような設定を考えていることを知っていただければ、少しは読んでいただくのに参考にならないか?と思い作成しました。
この世界は日本の室町末期・戦国時代と同じくらいの文化・技術レベルのイメージです。1000人に1人くらい魔力を持つ人がおり、呪文を覚えれば使うことができます。ただし、魔力持ちは国によって扱いが異なり、弾圧の対象となる場合もあります。
この世界では、基本的に貴族は姓が名前の後に付くが、平民は名前のみの呼称です。そのため、平民では同じ名前が出て来ますので、ご注意ください(注意するのは作者が一番必要なんですが)。
ルーシ王国、ヤロスラフ王国とも人間は茶髪、茶目で肌は日本人より少し白く、顔の凸凹は日本人よりハッキリしているという設定です。身長は男が150~160cmくらい、女は140~150cmくらいです。そのため、人通りにマモルが出ると頭一つ出る感じになって、変装したところで目立つので、何をしようが意味がないということになります。
ただし、王侯貴族には金髪碧眼という人物が存在します。また、ゴダイ帝国は、ルーシ王国、ヤロスラフ王国とは違い、少し背が高く、金髪碧眼といった人間が多くなります。
転移した人間は、転移前の体型をそのまま、転移後も引き継ぐという設定で、滝川具綏や織田信忠も当時の一般人の身長が150㎝くらいなので、この世界と同じくらいだろうとしております。
貴族の爵位は以下の通りです。ルーシ王国、ヤロスラフ王国とも共通ですが、ゴダイ帝国には侯爵以下の爵位はありません。
王族
公爵(王族に連なる者が貴族位になったもの)
侯爵(辺境伯はこれに準じる)
伯爵
子爵(正、準)
男爵(正、準)
騎士爵(正、準)
男爵になると、国または領からの報酬だけで慎ましく生活できますが、騎士爵程度では、奥様が内職しないと生活していけません。男爵でも無官の場合、生活は苦しいです。
宗教については、ルーシ王国がキーエフ真教、ヤロスラフ王国がキーエフ正教を国教としていますが、二つの宗教は元は同じキーエフ教ですが、国の政体に合わせて分離しており、教義自体はほぼ同じ内容です。
この二つの宗教は他の宗教に対し寛容で、異教徒は将来キーエフ正教(真教)に帰依する者たち、という見方です。ですから、異教徒に対して迫害するのでなく、寛大な心で帰依を導いていくというスタンスです。
ただし、少数派でキーエフ教原理主義というものがあり、キーエフ正教・真教の原理原則の形に立ち返り、現在の墜ちた教義を正し、教祖の説かれた教義に戻る必要があると唱え、教義原理に基づいた厳密な活動をすべきと活動している一派があります。この教義によると異教徒は排斥すべき群れと位置付けられています。
これに対しては、両国とも活動を認めておらず、地下に潜伏しています。
金銭の単位は以下の通りです。ただ、本文ではほとんど必要としていないですけど。
大金貨1枚 = 金 貨20枚
金 貨1枚 = 銀 貨20枚
銀 貨1枚 = 大銅貨20枚
大銅貨1枚 = 銅 貨100枚
それで、金銭感覚として
牛1頭 = 金貨5枚
熊1頭 = 金貨5枚
狼1頭 = 金貨1枚
羊1頭 = 金貨2枚
豚1頭 = 金貨2枚
としています。
商業についてはギルドが存在しており、ギルドに属さず、起業しようという者は排斥されます。織田信忠はその慣例を破棄し、自由に起業することを許しました。いわゆる楽市楽座ですね。工業についても同様にギルドを廃止しましたが、移行はスムーズでなく、いたるところに制限が残っています。
この世界では農業重視の政体ですが、織田領では重商主義に移行しようとしていました。この時代の国のあり方は富国強兵が普遍的ですが、織田信忠は富民強兵を目指していました。そのためには優秀な官僚が必要でしたが、それは従来の高級貴族には少なく、下級貴族の中から抜擢しました。当然のことながら、保守派からは反発を招きましたが、実績が不満を抑えていました。
織田領はルーシ王国との間に通商路を持ち、ザーイとの間にイズ公爵領がありましたが、通商路が通っており、さらにイズ公爵は織田信忠の政策に対し、理解を示していたため、軋轢を生まず、政策を進めることができました。織田領ではザーイの有力な商会の誘致、ミーレ王国、ゴダイ帝国との交易の推進を進めていました。
加えて領内の産業の活性化などでしたが、マモルが現れ、タチバナ村に招致したことで莫大な効果が起きました。
紙は、この地域では羊皮紙しかなく、植物紙は流通していません。作者の体験で和紙を作るというのは本当に大変で、それを商業ベースで生産するというのは、個人や子どもで行う事は、まず無理と考えます。分業体制が構築できれば可能だとは思いますが、それでも商品としての品質を維持することは、ゼロベースからのスタートでは、まず不可能でなないかと。
醤油、味噌を再現して大もうけするという異世界転移物の定番の流れはありません。醤油麹や味噌麹という、細菌の砂浜から一粒のダイヤを拾い上げるようなことは、チート能力があれば可能なのでしょうが、そのような設定にしていないので、簡単にはできないことと考えております。やがて、展開に苦しんで無理矢理話を広げた場合、出るかも知れませんけど。
味噌、醤油なんて、つい最近まで日本以外では存在しなかったのですから、そうそう簡単に生み出せる物ではないだろうと思います。
物の移動に際して、国境を越えるごとに関税が掛かります。国内で領を越える際の関税は、領主の判断に委ねられています。移動手段としては基本馬車であり、魔道列車などはありませんし、出る予定もありません。
奴隷制度についてはルーシ王国、ヤロスラフ王国ともに公的制度としては存在しません。ただ、慣例として存在していると考えています。農奴とか家僕とかです。これは異論のある方もいらっしゃると思いますが、そういう設定です。実は異世界物で奴隷の描写を読むのが気持ち良くないという作者の思いで、設定していないだけです。時代背景からすると、いるのが普通なんでしょうが。
魔法の呪文については「英語の動詞」としました。これについては、英語に堪能な方は笑っておられると思いますが、ご容赦ください。最初に呪文を使い始めた転移者がそのように設定した、ということにしており、ここは本当に苦しいところです。
ルーシ王国とは
マモルが降りた村のある国。地図では省略していますが、北に王都があり広大な領地が広がっています。マモルの降りたシュミハリ辺境伯領の南西には穀倉地帯があります。
魔力持ちが排斥され、魔女狩りが昔行われたこともあり、現在もタブーとなっています。そのため、魔力の利用に関してはまったく行われておらず、ヤロスラフ王国にあるような魔力を使用した「お守り」はあっても使うことができません。
ゴダイ帝国の間には山脈がつながり、直接繋ぐルートは険峻な山道だけで、軍隊などの移動は困難です。
マモルが最初に降りた村について
いろいろと繰り返し本文で出ていますが、大まかには第18部分「18話婆さまの独り言」と第43部分「43話 ノンの視点」をご覧になってください。
ヤロスラフ王国とは
ルーシ王国に広がる王国。国の広さはシュミハリ辺境伯領と同じくらいだが、ほぼ平野でゴダイ帝国国境付近に山脈が広がっています。ルーシ王国とは川を挟んでいますが、川向こうには大草原が存在しています。ヤロスラフ王国の南半分は大穀倉地帯が広がっています。海に面していますが、ザーイがあるため、商業港としては大きいものがありません。
自由貿易都市ザーイとは
日本の戦国時代の堺のイメージです。商人の代表者たち(ロマノウ商会のセルジュ会頭など)により都市が運営されています。
ゴダイ帝国
ヤロスラフ王国の北に位置する大国。地図には載っていませんが、北に広大な帝国領を持ちます。北側は海に面しているが、冬には氷で閉ざされるため、国是として南進政策を採り、常にヤロスラフ王国への侵攻を謀っています。王族以外の貴族はおらず、実力登用主義による人材発掘が進めらていますが、他国人であろうと、才能のあるものは上に上がっていくことができます。
イメージとしては、中国の春秋戦国時代の商鞅以後の秦です。
マモル・タチバナ(橘 守)
言わずと知れた主人公です。都内の化学系商社に勤務する25才。
身長は175cmで日本人では普通の平べったい顔、ひょろっとした身体つき。
生まれは瀬戸内海沿岸の地方都市で、海と山の近い所にある兼業農家の次男として生まれました。
両親と兄夫婦が実家に健在です。母親が何かと興味を持ったら熱中し、マモルを無理矢理巻き込んで、すぐに厭きてしまうという悪癖があります。過去に家庭菜園に凝って、香辛料の自家栽培を始めましたが、しばらくして厭きてしまい、後始末をマモルがさせられたということを経験しています。
理系であるため、東京の理系大学の農学部に進む。大学では環境資源学コースであったため、転移してもまったく大学で学んだことが役に立っていません。と言っても、商社に入って、大学で学んだことは役に立たっていませんが(これは良くある話ですが)。
会社は一族オーナー企業で技術営業職として働いているが、マモルの能力が不足しているせいかどうか分からないが、帰宅は最終か一つ前の電車に乗ることが多い。
転移するとき、少しだけ人より五感と身体能力を向上させてもらい、生活魔法が使えるよう、能力を与えてもらっています。
あと武器として、血糊が付いてもすぐに取れ、曲がらず折れずという両刃剣をもらっています。この剣はマモルにしか持てない仕様になっており、マモルが持つとほとんど重さを感じないが、他人が持つと重くて持てないというチートな剣です。
途中、剣の材質をオリハルコンとかミスリルと言うことがありますが、そのようなものは伝説上の物で、誰も見たことがなく、マモルの剣の材質が何か分析することもできないので、戯言と流して頂けるとありがたいです。




