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片目の理由 後編
目が覚める。
俺は黒い空間の中で浮かんでいた。
立っている感覚はない、下をのぞくと俺の足が生成されていた。
「なんだこれ」
俺はしばらくの間自分の体が出来上がっていくのを眺めていた。体のすべての感覚は次第に戻り、浮かんでいるから立っていくに代わっていった。
自分の体が元に戻ったと思ったらなっと思った瞬間、自分の体が違和感に包まれた。
視界が狭い。
「片目がないのだよ」
声が聞こえた。自分の違和感の正体を暴こうと頭を悩まそうとした瞬間にその違和感の答えが聞こえた。
「おぬしの体をうまく再生できなんだの」
うまく再生できない?
「ふむ、その代わりおぬしに強力な能力を与えたぞ!」
声のトーンが上がりどや顔を連想させるような口調でそうはなった。
って、おい。
「ん?」
能力つけなけりゃ俺の目……再生できたんじゃないの?
「あ……」
まじかよ。