第7話 契約
誰かが言った。どんな悪人だろうと最後に勝った者が英雄になると。
誰かが言った。この世に一つだけ平等があるそれは死であると。
誰かが言った。力なき正義は悪だと。
誰か僕をここから救ってくれ・・・。
あの日、世界は終わった。
瓦礫の中で幾日が過ぎただろう。
もう数える事すら諦めてしまった。
何もないただ悪戯に時間が流れ僕はここにいる。
虐めにあっていた事が懐かしい。
今思えばこの状況よりはマシに感じる。
何もなく生きているのか?
明らかにおかしい、普通ならもう息絶えているであろう時間は過ぎた。
実は、もう死んでいてこれが死後の世界という物なんだろうか?
誰か・・・。
暗い闇の底で僕は一人
いつも助けを求めている。
あれ?なんだ死神が見える・・・。
やっとお迎えが来たのか・・・。
(我と契約するか?
貴様が我と契約するならば力をやろう。
これから貴様はこの世界の王になるのだ。)
貴方は誰なんだ?こんな身動き一つ出来ないのに王だって?
(我は貴様でもある。貴様が望むならここから出してやろう。その代わりに王になるのだ。
そして我を崇めよ。)
(これは最初で最後の契約だ。今を逃すと・・・わかるな。)
ああ。契約する。
(貴様の名前をここに・・・)
契約書のような物が浮かんでいる。文字は読めない。サインをするにも手も足も動かない。
(念じればいい。それでこれは成立する)
・・・・剣崎白銀。
(契約は成った。)
この世界の王になるがいい。
瓦礫の山が浮いていいる?いや時間が戻っている。
まるで映画の巻き戻しみたいに何もかもが戻っている。
眩い光に包まれるとそこは校舎裏のサンドバックになっている時だった。
(さあ力を示し王になるのだ。)
「白銀!!この眼鏡がなんだその目は?」
殴り掛かってきたが余りにも遅くてゆっくり眺めてから避けた。
「何避けてんだ!!」
ほんの少し手を添える。
するとゴキキンと聞いたことも無い音とともに腕が折れてしまった。
「あああああ!!いてええーーー!!!」
転げまわる姿を見て僕の中の何かが芽生えた。
「少し黙れ。」
そう言うと彼の声が出なくなった。
こういう事か・・・。僕はこの力を使って王になるんだ。
「アハハ!アハハッハ!!」
そういえばミサイルが飛んでくるな・・・。
空を見ると調度飛んできた。
消えろ!!
念じるだけでミサイルは消えた。
「これは良い。手始めに学校ん奴らを従わせよう。」
誰かが言った。どんな悪人だろうと最後に勝った者が英雄になると。
誰かが言った。この世に一つだけ平等があるそれは死であると。
誰かが言った。力なき正義は悪だと。