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赤龍と白銀  作者: ITTO
第3部
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一太刀の英雄

どんな攻撃も歯が立たない。いくら準備したって無駄だったのかもしれない。

しかしここで諦める訳にはいかない。エレノアに・・・。

「おい。回復薬をくれ!・・・・おい!!」振り向くと仲間は塵と化していた。

そりゃ、無謀か・・・。


(人間貴様は面白いな。我が子を攻撃すれば勝機も見えていただろうに。それをしなかった。)


「そんなの人がする事じゃないだろ。」


(少し興味が出てきたがもう終わりにしよう。)


ただでは死なん!!せめて一太刀!!


周囲の壁を足場に駆け上がると龍の頭上にたどり着いた。


「喰らえー!!」無我夢中で振り切った剣が龍の目を切り裂いた。


(くっくっくく!!アハハハハ!!おもしろい!!おもしろいぞ!)


魂を震わすほどの一撃だった。貴様は我が眷属にしてやろう。


体が光輝くと手足が龍の様になっていた。


なに、すぐ元に戻る。それは選別だ。

我はあと数年は眠りにつく。それまで現世を謳歌せよ。

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