第17話 石龍
(この前は久々にお声が掛かったわね。)
・・・・。
(今回の主はいいわ~何が良いってショタ!!ショタなのよ!!)
(あの整った顔立ち、汚れを知らない無垢な瞳、それにあの魔力!!最高じゃない?)
・・・・。
(あなたまた無口になったんじゃない?)
(私は運命の出会いだと思うの!あれは忘れもしない1年前突然彼がやってきたの・・・。)
こんな山に本当に石龍が居るんだろうか?
どう見てもお花畑しか見えないんだが・・・・。
危険な場所を想像していた僕らは拍子抜けしていた。
「道理で麓の村の方が苦笑いするわけですよ。こんな重装備で登る山じゃなかった。」
「父さん。あれ、あの洞窟がそうですかね?」
中に入ると大きな空洞があった。その中心に石の人形がテーブルらしきところを囲う様に並べられていた。
「父さんこれなんでしょうか?」
「これは・・・舞台かな?」
地鳴りがする。
「用がないなら出て行け。」低く暗い声が洞窟内に響いた。
「石龍よ姿を現して欲しい。」
すると岩から人が出てきた。
「これは!!ゴーレムです!こんなに精巧な作りは初めて見ました。」
リュウの左目が赤く輝く
「ほう・・・赤龍帝の器がなんの用だ?」
「僕の力になってほしい。」
「ハハハハハ!!笑わせる!!なぜ人間に我が?まあよい・・・ではそこの舞台で踊って見せよ。」
・・・・・?
「リュウ言う通りにしましょう。」
一心不乱に踊るリュウ。
「はあ・・はあ・・・これで良いですか?」
「見てなかった。もう一度だ。」
あの優しいリュウが怒りを堪えてる!!
また一心不乱に踊るリュウ。
「これで・・・満足・・・・ですか?」
「ああ・・・ではかえって良いぞ。いいおか・・・いや・・もう来るなよ。」
リュウの左目が赤く輝く。
「コロス!!」
洞窟が崩れ始める。
「いけない!!リュウここでそんな事したら生き埋めに!!」
「石龍よ!!選ばせてやろう・・・死ぬか?従うか?」
「いや~何その強さ?怖いわ!!ワタシどうなっちゃうの?」
「父さん何あれ・・・気持ち悪い・・・。」
「リュウくん・・・やっていいです。」
山が崩れる。
「あれが石龍。鱗が岩でできているから石龍でしょうか?」
「大事な舞台を!!なに壊しとんじゃ!!ワレ!!」
石の飛礫が飛んでくる。
リュウはかわしながら飛礫を足場に空高く飛んだ。
岩が隆起しリュウを襲う。
軽く飛び跳ねる様にかわしていく。
「なぜ当たらん!!」
リュウが上空から魔力をぶつける。
「クッ!!魔力の圧力でワシを押さえつけるのか?」
剣を首筋に刺す。
「なに!!」
「返答は?ハイかイイエだ。従うか?」
「ハイ・・・。」(怖いんですけど。)
「じゃあこれからよろしくお願いしますね。」
(あの強さと微笑みに私は落ちてしまったの!分かる?)
・・・・。
(もうこれじゃ私の独り言みたいじゃない!!って貴方ゴーレムだもんねえ・・・。)